電車の中で幸福について考える

ちょっとの仕事のために、雪の中をバッグ2個もって傘さして電車で片道1時間。報酬から電車賃を引いたら残り僅かで、夫には言えない。まあ、彼に稼ぎを聞かれるなんてことはないのだが。しかも駅で高いソバを食べてコーヒーまで飲むんじゃあ赤字じゃないか。これを仕事と呼ぶかどうか、ええい、呼んでしまえ。でも、しかもご丁寧に電車で読むための本まで買った。なんとなく「クーリエ・ジャポン」。世界各地のメディアの翻訳からなるこの本は時々買う。丸ごと翻訳であるから、翻訳調の文体が延々と続く。これが結構好きだ。昔から翻訳小説を読み慣れてきたせいだろうか。今日ので面白かったのは「フランスの哲学誌と考えた幸福の世界地図」という企画。哲学者の専売特許かと思われた「幸福について」を近頃はエコノミストまで考え出して数値化までしているじゃないか→幸福の尺度って人によって異なるし、個人の幸福と社会の幸福が必ずしも一致するわけじゃないし、幸福を望まない人だっているし、押し付けたら全体主義的になる危険もあるし、なかなかにやっかいな問題であろう→それはともかく「哲学的幸福指数」を使って世界の幸福度を測ってみよう!という流れ。乱暴に言うと。

「アリストテレス的幸福」「エピクロス的幸福」「ストア派的幸福」「デカルト的幸福」「J・Sミル的幸福」をご丁寧にというか、巧妙なまやかしというか「定義」「算定方法」「結果」という項目でそれぞれに解説し、国(地域)ごとの分布表を載せて、その中から特に1位と最下位の国をピックアップして理由付きで紹介している。かなり笑える。で、私の場合だが、この解説を見る限りどれもそれなりにフウムと思うが、もともとは社会科学理論の中では「功利主義」に魅力を感じているものだから「ミル的幸福」を追求しようじゃないかってことになる。それと「ストア派」も、ちょっと怖いがまあまあかな。で、問題は次である。世界地図を見ると、この両者だけが、日本は最下位レベル。エピクロス的なんかトップだというのに。もっとも算定方法はほとんど冗談の域にあるし私の幸福も冗談ではあるが、偶然とはいえもしや日本に不適応かと思ってしまう。ここでの幸福尺度で負の角度から頻繁に登場するのは、そう、米国である。日本は、表舞台における男女差がここまでじゃなければかなりいいセンいっている。しかし、こういうのをお笑いネタで扱ったら面白いな。
by kienlen | 2008-01-12 22:52 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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