運転手を務めて思い出したバンコクでの出来事

運転手をした。白タク営業ではなくて友人の出張に付き合って運転しただけ。180キロくらい。自分で走るんだったら一般道を行くところだが、本日は自腹を切るわけではないので高速道路を使って速かった。こういう役目は結構好きなのだ。理由は、自分で決断しなくていいから。行ってくれと指示された場所に向かう。プロじゃないから道を知り尽くしている必要は全然なく、どっちに行けばいいか聞きながら、ただ言われた通りに運転すればいい。普段は自分で決める場面が多いので、決めなくていいのはなごむ。迷っても自分の責任ではない。指示待ち人間に徹することができる。快適、快適。しかしもっと快適なのは運転手を雇える身だろうな。日本だと、会社の社長だって自分で運転しているので、帰国した直後はとっても違和感だった。日本企業の駐在員だと、平社員だって運転手付きだもの。家族もその運転手を使えたりもする。だから駐在員の妻としてならいつでも、明日にでも行きたいもんだが、もうあり得ない夢になってしまった。

バンコク滞在時は車を運転しなかったのでバスかタクシーだった。夫は会社の車を自由に使っていた。車を買うか家を買うかってくらいに高額だったので、車を借りられるというのは給料が少々高いよりもありがたい。私は、あのバンコクの交通事情の中で運転しようなんて考えたこともなかったが、ある日、夫が私に「空港まで送ってくれ」と言った。日本だかシンガポールだかに出張の時だ。久々に運転してみるかと思って無免許のまま出た。タイだと何でもかんでもお金でカタがつくので無免許が発覚してもどってことないと、多分その時は思ったのだと思う。今はすっかり日本人に戻ったから当時の心境は理解し難いが。で、夫の会社の車を運転したわけだが、そしたらすっかり楽しくなってしまって、空港からの帰路、ちょっと街中を1人でドライブしてみようと思った。ところが、バンコクの運転のスピード感がつかめなくて他人の車にぶつけてしまった。それはそれは動揺した。当方無免許の外国人である。とっさにそのまま走り抜けながら、相手は追いかけてくるに決まっているし、その場で棒でたたかれるかナイフで刺されるかピストルでドンかで殺されるかも、と思った。ところが信号待ちで止まっても誰も追いかけてこない。結局そのまま帰宅。あれは幻かと思って車を見たらボコボコでびっくりした。出張から帰った夫は「相当激しくぶつけたな」と言って修理に出した。それが事の次第。今だから言えるけど…。
by kienlen | 2008-01-10 23:33 | タイの事と料理 | Comments(0)

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