助手席で息子がしんみり吐いた言葉

「落ち着くなあ」と助手席に座った息子が目線を少し上気味にして言った。昨日の現場に自転車を置いて来たので、取りに行きたいから車を出してくれと言われて出ようとした時のことだ。そういう感覚は分かるような気がする。なんだかざわざわした気持ちだったり、テンション高くなったりしていたり、怒っていたりという、地面より数センチ上辺にいるような気分の時期と、地上に生きていることがしっくりくるような時期というのはある。「そういう落ち着いた気分をちゃんと覚えていて、何かあってもそこに戻ることが人生大切」と昨日からの説教の続きをする。さすがに事を起こした後だからいつもより素直であり、そういう時期にインプットしておくのは重要なのだ、という魂胆もあるが、私もその時は彼の嘆息が染み入るような気分ではあった。私自身がこのところ慌しかったように思う。それは反省事項でもある。かといってやりかけていることを放棄するわけにもいかないから、しばらくは時間を食い食いの生活にはなってしまうのだが、巻き込まれないようにしなければならない。

こういうことを子供は意識しなくても察知するのだろう。前に、引っ越しと新しい仕事が重なった時に、やはり息子の落ち着きがなくなった。息子と娘を比べると、外的な変化に敏感なのは息子であるように感じる。彼が初めて飛行機に乗ったのは、バンコクから日本への一時帰国の時で生後3か月だった。飛行機の中では少し寝ていたが、成田からの電車の中は泣きっぱなしだった。幸いその時は夫がいて、泣き叫ぶばかりの息子をデッキで3時間抱っこしてくれたので、夜行の飛行機の中で赤ん坊が座席から落下しないか心配で全く眠れなくてダウン寸前だった私は休息することができたが、あの泣き声はまだ耳に残っている。娘の初乗りは生後4か月。息子の苦い思い出があったから飛行機の座席も赤ん坊用の簡易ベッド利用をリクエストして、電車の中で泣かれることは覚悟していたが、そんな気配は皆無だった。今と過去と、そして大切ではあるのに不確実な未来を行きつ戻りつしながら子供を見守っていくしかない。
Commented by jun at 2007-09-24 21:44 x
本当に、子どもは見守っていくしかないのでしょうね。また、それでよく、いえその方がいいのでしょうが、つい親の私は求めてしまいます。そういえば、うちでも、都会の満員電車の中で泣かれて往生したことがあったなあ。また、親がイライラしていた時には、長女が頻尿になり悩んだこともありました。
今は今で悩みは尽きませんが。
昨日は稲刈り後のハゼ掛けの手伝いをし、いい汗を久しぶりに流しました。子どもは「やだー」とか「むりー」とか言って、ちっともお手伝いはしませんが。まあ、お手伝いはヤダよなあ。でも甘いかなあ。
Commented by kienlen at 2007-09-25 14:58
甘いかなあ、は私もいつも感じていることなんです。覚悟していたとはいえ、だんだん親の難しさを感じております。相手は人間なんで。ウサギだったら楽だろうなあ、かわいいし、と思いますね。人間の子よりペットが多い社会にもなりますわ、と思います。
by kienlen | 2007-09-24 19:55 | 家族と子供の話題 | Comments(2)

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