バスの中で読んだ『米原万里の「愛の法則」』

昨日の東京行きの高速バスの中で読んだ。米原さんの4回分の講演録。私も1度講演を聞いたことがあるので、それが収録されているといいのに、と思ったがなかった。でも、気になっていた部分がこちらの講演でも語られていて確認することができて、確信をもって呆れた。ひとつはサミット、主要国首脳会議での同時通訳の方式。ここでは8か国6言語が使われる。日本という国は、すべての言語をいったん英語にしたものを各国語に通訳するのだそうだ。もちろんそんな国は他になくて、日本独自の方式を第1回目から28年間やっている、そうだ。これを米原さんの講演で聞いた時は信じられなかった。まさかと思っていたが、まさか当事者である彼女がガセネタ撒くわけないから本当だろう。ここに活字にもなっているし。ここで活字になっていないけど、講演の時は「同時通訳だとどうしても落ちがでるから、それが二重に生じることになる」という意味のことを言っていたが、そんなのフツウに素人が考えたって当たり前だろう。これをやってきた日本は、さすがに独自の世界観を持った国なのである。

それはつまり米原さんの言うように「英語、世界最強の国の言語を通せば、世界を知ることができる、世界に発信することができる、世界から情報が取り入れられると錯覚しているところで成り立っているんです」。英語というフィルターをかけると自分も強くなったような気になるってことなんだろうか。まあ、義務教育での外国語学習の迷いなき英語一辺倒を見ても、これ以外に言語はありません、くらいの勢いだものな。フリーランスで仕事をしていると、リスクを分散させておくことが大切であるってことを、昨年さんざん学んだ。てっきり継続と思っていた大きな仕事が突然なくなって路頭に迷っていた時に、フリーランスの大工さんから「俺らもいつも迷うんですよね。大きな会社の傘下にいると安定かと思うと、それがなくなった時は大変なことになるし」と。雇用関係じゃないから、その通りなのだ。だからあっちがこけてもこっちでなんとか持ちこたえるってな具合にしておかないと危険。そういえば米原万里の諺の本に、同じような諺は各国にあるけど「寄らば大樹の陰」は日本独特みたいなくだりがあったように記憶している。英語一辺倒が個人のレベルじゃなくて、国を挙げてじゃあ、ホント、怖いです。
by kienlen | 2007-09-17 21:52 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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