「うちひしがれたニッポンの男達」が読むべき本?

『反転-闇社会の守護神と呼ばれて』を昨日やっと読了。著者の田中森一という人は知らないけど、これを読むとどうやら相当話題になっていた人物のようでもある。特捜検事から弁護士に転身してバブルで大儲けして人脈も広がっていたところに、身に覚えのない詐欺容疑で逮捕されて高裁でまで実刑判決で現在最高裁に上告中、という人の自叙伝だ。中身は面白かったけど、センセーショナルな帯の文句がどうも違和感だった。これはamazonで買ったんだけど、こんな帯で書店に平積みされていたら買わなかったかも、と思ったりもする。ただ、私がこの人の評判を知らないからそう感じるだけで、もともとセンセーショナルに報道されている人であれば、こうなるのかなって感じもする。なんか、似たような状況にいる佐藤優のは特捜検察の内情の部分について「日本国家の中枢が内部から崩れかけている実態を知ると背筋が寒くなる」と述べているのは同感だけど、一見して、私には訳分からないのは中森明夫氏のもの。「どんなドラマよりすごい。ジェットコースター人生!極貧からバブルへ、正義の番人から悪の守護神へ。戦後日本の極限を生きた男の姿がここにある。こんな男がいたのか!?すべてのうちひしがれたニッポンの男たちは、この本を読むべきだ!!」

著者は1948年生まれなので、この時代に生まれつき裕福であった人は多くないだろうし、その点で同世代の「うちひしがれているニッポンの男たち」が励まされるという意味なんだろうか。いや、違うんだろうなあ。内容を読んで感じるのは著者のまじめさと素直さ。この時代を素直に生きるとこうなるんだろう。田舎で親の跡取りで漁師になるのは嫌だ、勉強して抜け出したいからがんばる。それで検事になる。ここでは正義のためにがんばる。でもなんかヘンだ、自分の正義と組織や国家の正義が違うじゃないか、辞めてやる。弁護士になれば被疑者の弁護であるから闇社会に人脈できて不思議じゃないし、ここでの付き合いだって真摯であるし、だから信頼されるわけだ。時代はバブルだからバブリーな生活。でもなんか目立ちすぎで古巣から目をつけられて逮捕。そうか、うちひしがれているのは、こんな風に思い切り生きてこなかったニッポンの男達なのか。なるほど。だったら今から軌道修正して素直にまじめに自分の正義を優先させて欲しいものだ。それもせずに強いものにまかれてきて勝手にうちひしがれて、勝手に被害者ぶるのはやめてもらいたい。だってそれで迷惑被っている人いるんだし。これを読んで自分を反省せよ!!中森明夫の帯ってこういう意味なのかな…。
by kienlen | 2007-08-03 16:41 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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