『ナショナリズムという迷宮-ラスプーチンかく語りき』

標題の本を読み終える。佐藤優と魚住昭の対談だ。書店で見つけて欲しい、でも予算が…で迷っていたものをこの間遂に買ったもの。特に高いわけじゃなくて1500円で発行元は朝日新聞社。佐藤優はどれも面白いけど、これもまた懇切丁寧な思想と現代の現象の解読本って感じで満足感ありありだった。ただ途中で投げ出したくなった局面もあった。だって、何だかんだ言ったって、お2人は勝ち組でしょ、みたいなひがみ根性かな。いや、この方々はそんな低次元で話しているわけじゃないし、そんな次元で自己言及しているわけでもないし、だからそれで止めたんじゃあ、無意味な自爆みたいなもんだし、負け組の固定化につながるので意地で読み進めることにした。と、なんと大げさな前フリであることか。ナショナリズムとかファシズムとか、新自由主義とか新保守主義とか、昨今の雑談にも出てくる割には、ホントに自分で理解してんのかい、と自問しているキーワードをここまで分かりやすく解説してくれることに涙が出るほどだった。しかも、茶化さずに面白い。例えば新自由主義と新保守主義の葛藤は、怪獣の対決に例えられる。ゴジラ対、ナントカ怪獣。

ホリエモンは貨幣である。貨幣が国家を超えると国家は困るから、あの事件になる。で、国家は官僚である。資本家も労働者も社会から生まれているが、官僚の出自は国家である。だからアレコレって、ホントはきっとすごく難しい話を優しく説明してくれる。これこそ、知識人の役割でしょ。知識人が知識人の役目を果たしえなくなった時にどうなるかって事も説明されている。最後まで読んで良かったのは、佐藤優の最後のフレーズをちゃんと読んだことかな。「…世の中、ろくでもないものしかない。国家だって民族だってろくなもんじゃない。しかし、ろくでもないもののなかをうまく歩いていかねばならない。繰り返しますが、重要なのは、絶対に正しいものはあるかもしれない。ただし、それは誰にとっても正しいものではなく、ある特定の集団にとっての正しいものであるにすぎないということ。そうした絶対に正しいものは複数あるんだと。あとは、私たちがその想像力をどこまで持てるかということだと思うんですけどね」。
Commented by jun at 2007-07-16 09:48 x
経済とか金融というと難しいというか、アレルギーがありますね。わかっても勝ち組になれる保障はないし。でもこのお二人は魅力的で、さらに分かり易いとなれば、・・・。
ところで、桜塚ヤックンが「怪僧ラスプーチン」のDVDを出しましたね。
ビリーズブートキャンプみたいに踊りながら自然に世界経済が分かれば面白いのに。30年前の本家BoneyM.のDVDは買ってしまいました。
当時のヒット曲RIVERS OF BABYLON初め、RASPUTINやSUNNYなど懐かしい10曲が貴重な映像付きで¥3,990でした。高い?
ちなみに当時モスクワ公演での「ラスプーチン」は演奏禁止にされたそうです。今聞いてもいい曲ですね。
ああ、短い夏の青春の思い出。私も年とったなあ。
 結論を想像すると、経済も「信仰や哲学の問題」というということでしょうか。お金も信仰や崇拝の対象にされますし。こりゃ、たまらん。
Commented by kienlen at 2007-07-16 21:43
信仰や哲学の問題なんて逃げてませんよ、これは。実用的でそこがいいというか、辛いというか。とにかくとっても明快で痛快で、ゾゾゾと怖いです。
by kienlen | 2007-07-15 21:38 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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