人気ブログランキング | 話題のタグを見る

満開のパクチーと最近の政局?

ここのところのニュースを見聞きしていると、空っぽに近い私の諺の倉庫のドアを内側から盛んにノックされる。誰かと思ったら、日本でもすっかり有名なタイのハーブのパクチーだ。英名はコリアンダー。で、私が知っているパクチーにまつわる諺とは「ผักชีโรยหน้า(パクチーローイナー)」というもの。タイ料理を知っている者にとっては比喩というよりはそのまんまだ。この場合のローイ=振りかける、ナー=表面。すなわち、パクチーを料理の表面にふりかけて漂っている様子を浮かべるといいのだが、転じて「うわべだけ」とか「表面だけ取り繕う」「目先だけを飾る」という意味に使う。高価であるのだけが欠点以外は抜群に面白い冨田先生のタイ日大辞典にはちゃんと「表面だけをとりつくろうような仕事の仕方をする」という例文も載っている。で、これがどういう時に私の頭の表面を漂うかというと、政府が次々に法案を強行採決している時。教育に関しては裁量で土曜日も授業とか徳育を科目にするとか。それでいて格差を固定しないを方針にするとか。我が家でも表面とりつくろいまくりの息子だって「裁量で土曜日授業」ってのを見て「差が開くよね」と言うくらいなもんだ。

つまり私にはホント分からないのは、何のためにそれをしたいの?ってことで、根拠になっている考え方が見えない。どっかで説明してくれるのかと思って、たまあには審議の様子をテレビで見たりするけど、議論にもなっていないし、自分は海底で砂まみれで汚染も進んでいてサメに襲われるかもしれないって怖くて泣いているのに、キラキラの海面で何かやっているな、としか感じられない。だから関係者を見たらパクチーだと思うことにした。パクチー・アベとかパクチー・イブキとか…。しかしかわいらしすぎてパクチーに申しわけないか。ただこの諺は簡潔で分かりやすくて使える。よくタイ料理といえばパクチーの強烈な匂いとイコールになっている人がいて「パクチーが嫌いだから」と言うが、たいていは料理の表面にふりかけるだけなので「パクチー入れないで」と言えばいいのである。私の知り合いにはバンコクに数十年在住で最後まで「パクチー入れないで」と言っていた人がいる。我が家の庭のパクチーは花が咲いてしまった。こうなると表面を繕うのにも使えないや。
満開のパクチーと最近の政局?_f0104169_1083983.jpg

by kienlen | 2007-06-03 10:11 | 社会的話題 | Comments(0)

信州で読んだり書いたりタイに住んだり戻ったり旅したり


by kienlen