『メディア・バイアス-あやしい健康情報とニセ科学』

日付がまた変わってしまったので昨日になるが、珍しく午前も午後も仕事。こんなに働いたのは久しぶりではないだろうか。しかも電車で片道1時間半+バス乗り継ぎという場所なので、朝7時に出て駅到着は午後6時半だった。もっともこれってフツウの会社員には当たり前どころか残業なしの珍しい日という程度だろうけど。辛いモノを食べたくて駅から夫の店に直行すると、いつものタイ人女性達がカウンターでビールを飲んでいて、いつものように飲め飲めになって、こういう時はとっても素直になって従う。飲み食いして帰宅したら残業した友達から付き合ってくれと言われてまたちょっと出る。それで日付が変わった。電車の中と待ち時間とお昼のラーメンを食べながら読みかけの本を読了。松永和紀という人の『メディア・バイアス』で、サブタイトルが「あやしい健康情報とニセ科学」となっている。著者のことは何も知らない。紹介文によると、京都大学大学院で農芸化学を専攻して毎日新聞の記者を10年して、フリーの科学ライターになったという人。特に食品を中心にした科学報道への批判、それから科学報道のいい加減なネタを提供する一部科学者への批判、そして最後に情報の受け手である我々への科学情報リテラシーの必要性を訴える。

問題提起はもっともだと思う。報道する側に科学的な知識が不足。だからエセ科学者のいい加減な主張の嘘を見破ることができにくく、例えば消費者団体などの偏向性を喝破できず、トンデモ記事や番組ができて、そのために重要な真実が明かされなれないという弊害がおきるということを豊富な例から告発する。豊富な例とは、すなわち食品添加物とか農薬とか遺伝子組み換え作物とか化学物質過敏症とかオーガニック食品とか有機栽培とかバイオ燃料とか、恐らく多くの人にとっての身近な関心事軒並み。私のように非科学的な人間にも分かりやすいんだけど、非科学的人間の限界なのだと思うのだが、心底というよりは表面的なうなずきに留まってしまった。それは多分、科学的な実証がなされるのを待つのが怖いという単純な感性があったっていいじゃないかという非科学的な態度が自分にあるからだと思う。しかしこれは知識不足で片付けるとして、私には全く理解できないのが、テレビ番組で何かがいいとされたらそれを買いに走るという行動で、結局のところ、それが分からない人がこの本を読んでもあんまり意味がないのかもしれないと感じた。私が一番面白かったのは第10章「政治経済に翻弄される科学」。でもまあ同種の本をこれ以上読もうって気にはならないな。
by kienlen | 2007-06-02 00:48 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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