『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』

北尾トロという人が書いたこの本を読んだ。日本人ジョーク集以来の爆笑本だった。法廷傍聴では佐木隆三のを読んだことがあるけど、何か物足りないという気がしてた。その点この本は、私のツボを多いに刺激してくれた。この本を買ったのは偶然だった。一昨日、仕事場に約束の時間を間違えて早すぎて到着。ちょうど付近に書店があったので入った。本には不自由してないが、軽く簡単に面白く読めるものが欲しい気分だった。そしたら裁判傍聴記の面白そうなのがあったが単行本で、もう仕事の予定がほとんどなくなっている身としては思案するところ。すると横に同じ著者の第一弾として文庫本が積んであった。それがこれ。価格は半分で即決。面白かった。傍聴初心者の著者が裁判所に通い詰めるうちに法廷内から人間観察を深め、法廷外では傍聴のプロみたいな存在も発見したり、ヤクザの集団に遭遇したりの諸々を軽いタッチで描いているのだが、なかなかいいところを突いているって感じ。こういうセンスは好きだ。

傍聴事件は窃盗から痴漢から殺人から、無名有名まであるが、私が一番笑えたのは裏口入学の詐欺事件。詐欺している被告が実は詐欺師の被害者だったり、被害者といってもそもそもが裏口入学を頼む親なわけだから同情に値しない。だから他の事件に比べると心置きなく笑える。しかし、子供を大学に入れるために何千万円も払うって、どういうことなのか全く理解できない。こういう理解できない登場人物ばかりの事件もあれば、ここまで不遇が重なると自分だったらどうするかと親近感を覚えるのまで様々。まさに多彩な人間模様を見ることができる。私も以前に目的の裁判傍聴に行ったら、前のが長引いていて偶然傍聴するハメになったことがある。それは交通死亡事故で、部分的に聞いただけだが、自分が運転する車で家族を失った女性が被告で、まさにいつ自分自身がそこに立つか分からないというもので、皆が被害者みたいなものだった。裁判員制度を視野に入れている本だと思うが、アタリだった。あっちの単行本も買おうかな。今週と来週は傍聴予定の裁判が私も数件ある。
by kienlen | 2007-04-15 22:19 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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