『老後がこわい』を読んだ

香山リカの本を久々に読んだ。これは『就職がこわい』『結婚がこわい』シリーズの3作目とのことだが、前2作は読んでない。この3作目をなんとなく買ってしまったのは、このところ時間がないこともあって全部読みかけなので、なんか1冊くらい軽く読めるものを読みきってみたかったから。ささやかな達成感願望ってところだろうか。しかし700円もったいなかったな、と思ってしまった。香山リカは好きなものは好きだけど、かなり手抜きでしょう、と感じるのもあってこの本は、私の感想としては後者。読む、というか字面を目でなでながら、「これを訴えたいというよりは、編集者と『今なら何が売れそうか』と話し合っていて生まれた本だろうなあ」と思っていたら、あとがきにまさにそのような経緯が記してあった。誕生秘話がどうであってもいいけど、それが読者に伝わってしまうというのは、そして、それでもプロの技だ感心感心とも思わせてくれないというのは、どうなんだろうか。この時間があるんなら得意分野での発言を期待したいところだと思った。香山リカさんは結構好きなんで、期待してしまうところがある。

シングルの女性が高齢になった場合どうなるか、みたいな話だ。周囲の人達のエピソードと、当事者達によって書かれた本の引用で進めていくのは、よくあるパターンだけど、どうも紹介されている本がいかにも、これって編集者が用意してくれたんじゃないか、と思わせるようなもので、それも気になった。誰が用意しようがいいけど、つまりそんな印象を受けてしまうほど、説得力を感じないということなんだ。ただ、都市生活にどっぷり浸って、それが日本の現実で、その中でシングル女性でがんばっていて、仲間もいるんだし、と思い込んで生活している人がいたら、その女性達にとってはリアルなのかもしれない。このどれにも当てはまらない私は、そもそも想定読者からはずれているんだから、私がつまらなく感じるのは、逆に言えばヒットなのかもしれない。場外馬券しかないのに場内に入っちゃいました、ごめんなさい、って頭下げた。
Commented by eaglei at 2007-03-07 21:35
香山さんの本って、期待して読んで、裏切られることも多くありますね!
僕は、「スピリチュアルにハマる人、ハマらない人」を読んで、同様の感想を持ちました。

「いまどきの常識」(岩波新書)と「多重化するリアル」(ちくま文庫)は、
読んですっごく良かったですよ~。
Commented by kienlen at 2007-03-07 23:38
eagleiさんは香山さんの講演に行かれたんですよね。こちらにも何年か前にいらしたんですが、満員で入れませんでした。『いまどきの常識』は私も読みましたよ。
by kienlen | 2007-03-07 10:45 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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