疲れた日の日記はこんなん

フランスで修行してきたというケーキ職人の女性と話す機会があった。お菓子作りといえばフランス修行みたいなイメージがあるが、実際に体験者から直接話を聞くのは初めての事だ。なかなか骨太で魅力的な女性だったが、最も印象的だったのは、修行中のアメ細工作りの話だった。すでに菓子職人として日本で経験のあった彼女は、フランスの学校に入るのではなくて報酬を得て4つの異なるタイプの店で働きながら修行していたのだが、その際に日本では習ったことのないアメ細工をするチャンスを得た。師匠が伝授する細工を何人かの弟子が作るのだが、それぞれ個性的な仕上がりになる。師匠と全く同じものを作ることなど誰もしないし、師匠もそれを求めるわけではない。大胆な作品から繊細なものまで、作り手の性格を反映するかのようなオリジナリティいっぱいのものが出来上がる、のだそうだ。それを珍しそうに話すから「日本では違うんですか?」と尋ねると、製菓の専門学校に通っていたという彼女は「先生と同じものを作ることが求められると思いますよ」と言う。へえええ。そういう勉強をしたことがない私にとっては新鮮な響き。素人考えでは、人と全く同じものを作るという事自体が不自然じゃないかと思ってしまう。

そういえば、ドライフラワーアレンジのスクールを経営している友人が、彼女のスクールの特徴を、講師と同じ作品を作るような指導ではなくて、材料は同じでも生徒が好きなデザインで作ること、と言っているし、生徒さん達の側も、それを他に比べたら珍しい指導方法だと思っているらしいことと、本日のケーキ職人さんの話が重なった。「国民性でしょうかね」とケーキ職人の彼女。まさか日本の学校がすべて一律の指導方法であるわけないし、実態を知らない私に確信はないが、おおざっぱには、そういう傾向がありそうだ。人と同じ事をするのが美徳であるという文化と、人と違うのが当然とする文化による差異はあるように思う。日本人ジョーク集にもあったな。沈没する船から海に飛び込ませるのに、日本人には「みんな飛び込んでますよ」と言えばよくて、イタリア人には「飛び込めばモテる」と言えばよくて、そしてフランス人には…「飛び込むな」と言えばいい、だったと思う。真似ることも大事なのだろう。でも真似ることが苦手な人もいる。真似たい人は真似ればいいし、そうじゃない人はそれなりに、お好みでいかようにもどうぞ、というのが私は一番いい。今日は働き詰めで疲労感ありで以上。
Commented by jun at 2007-02-17 12:25 x
沈没船のジョークは私も好きです。隣組や行政でも「みんな、そうですから」という手もたまに使われますが、最近は「みんなって誰?」と突っ込まれる場合も多々あります。それでもやはり集団志向、集団意識はありますね。民族、人種を超えて集団意識はもちろんあるでしょうが。
 また、「外交官と淑女」という古典的なパーティージョークも私は好きです。
 でも、はみ出した個性的な日本人も増えていますので、住みやすくはなるかもしれませんね。
 働きすぎないようにしようっと。
Commented by kienlen at 2007-02-17 23:44
ジョーク集を息子に貸したらすっかり気に入って、私立高校の受験の面接で最近読んだ本を聞かれたらこれにしようと意気込んでいたのに、そんな質問はなかったそうです。ウチではこのジョーク集で練習していたんですが何も役立たなかったようです。
by kienlen | 2007-02-16 23:45 | その他雑感 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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