蔵書があっち側にいってしまう

今時のじゃない、昔ながらの古本屋で物色していたら、店主が「ウチもアマゾンみたいに、お客さんの好みそうなのが入りましたよって連絡できるといいかなあ」と客に向かって話していた。狭い店内なので全部聞こえる。客は無言。それで、よく行くから店主も覚えていると思われる私が「そういうサービスあるといいですよね」と口を挟んだら、彼はこっちに向き直って「でも、あれはできないよなあ」などと言い始めた。2人で、アマゾンはすごいって話しになった。そのすごさを全部利用しているわけではないが、知れば知るほどすごい。また500円の割引の連絡がきたから、それを期限内に使うために検索していた。過去の注文から割り出したお勧め本がたまっている。いつもは見ているだけだが、冊数が増える一方だから初めて「持っている」とか「興味ない」とかいうボタンを押して減らそうとした。が、とんでもないことになってしまった。持っているをクリックしたら削除されるかと思ったら「○○をお持ちの人へのお勧め」として、蔵書から推察のお勧め本が増えるのだ。で、それがさらに持っているとなると、さらにお勧めが増える…。

ということは、これをきっかけに自分の蔵書が全部アマゾン側に筒抜けになるということではないか。ってことは、何かの時に思想傾向なんかが全部読まれるということではないだろうか。ということは、管理社会の中で危ないということではないだろうか。しかも全部保存されているんだ。データ流出のリスクは常にあるし。だからそんなボタンはクリックしないに限る。が、一体何を勧めてくれるんだろうという好奇心からどんどんクリックしたくなる。これも心理を見抜かれている。罠だと思いつつ、それにかかってみたいという思いはきっと誰にでもあって、その罠の種類が恋愛だったりする場合はドロドロかもしれないが、アマゾンの罠にかかりたい人はどういうところに落ちるんだろうか。紙のカサカサかな。落ち葉のような夕暮れ。寂しいような嬉しいような底なしの不安のような…。挙句は「もうお任せします」なんてなりそうだ。アマゾンのあるところ総アナタ任せ化進行中かも。依存させた後に毒ガスでもまかれたらおしまいだ。
by kienlen | 2007-02-02 00:37 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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