自虐のためかと言われた本

読書している時に友達が来たから「助けてくれええ、何ーこの本ー!具合悪くなるううう」と言って表紙を見せたら「何?もしかしてマゾ?」と言われた。だから「読んだの?」と聞いたら「読まなくたって分かるもん、読まないわよ、そんなの」と言う。「でも、読まないであれこれ言えないし、かといって買う気にはなれないしって思っていたら、昨日ちょうど友達のところにあったから借りてきた」と言い訳がましく説明したが、バカバカしいって顔で斜めから見られた。そりゃあ、私よりこの友達の方が経験知が深いからな。その本は安倍晋三『美しい国へ-自信と誇りのもてる日本へ』。出だしはどってことがなかった。昔の思い出を語る部分は、随分素直なお子様であられたんだ、と思って一応読んでいたが、耐えられなくなるのに時間はかからなかった。でも、読んでみるという挑戦だけでこの友達からすれば果敢なのである。褒めてはくれなかったが。

そうそうこの本はボク褒められたいの、ボクの部分を日本に変換したようなものだ。褒められたい気持ちは分かるし、誰だってそういうところあると思うし、別に○○クンが、メアリーちゃん褒めて!とか、誰かにねだるのも自由だけど、他人を巻き込まないでくれと思う。しかもこんなに大勢の他人を。まあ、それも大目に見るとしても、しかし例えば日本人だとかアメリカ人だとか中国人だとかタイ人だとか言った場合に、国籍だか永住権だか民族だか知らないが、それぞれがカテゴリーごとにみんな同じらしいです、この発想からいくと。これは悩まなくていい。カテゴリー分けした後は葛藤がないのだ。そうだろうなあ、純血種って異物が入ったらいけないんだ。でも血が混じると頭のいい子が生まれるとかでウチも「お宅も頭のいい子でしょ」とたまに言われることがあるが、違うからすでにこの説の怪しさを物語っている。しかし同質性の中で育つと想像力欠如の可能性は高いな。Aも横からみたらこうで下から見るとAには見えないってな発想はもたずにすむ…のだろうか。つまりここまで一面的に一方的な視点から語れるというのは、純血のありようとして正しいんだろうと思う。恐れ入りました。純血とは何かとか、美しいって何かとかは、この本的に応用すると自明で説明の必要は全くない。すべては自明なのだ。自明性の崩壊なんてないんだ。ううう、、。すごいことになってる。
Commented by jun at 2007-01-31 19:01 x
大変でしたね。以前も書きましたが、「美しい国」は逆から読むと「憎いし苦痛」となりますね。昨年は色々あり、「年の瀬に、ニセの使徒」(回文)が現れた感じです。
考えないという「想像力欠如」は自治会や育成会にも受け継がれていますが、簡単に壊れるものでもある気がします。私は壊して再生していますが。
では、また。
Commented by kienlen at 2007-01-31 23:55
真実は回文にありってところでしょうか。それにしても本読んで「大変でしたね」って言われたことは初めてでございます。回文でお返ししたいけど能力ないです。残念。
by kienlen | 2007-01-30 16:19 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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