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妻はつまはじき

バンコクに立ち寄った時、10年以上も放置しておいた通帳の記帳をしに銀行に行った時は、奥の部屋に通されて延々と待たされた。でも眼の前で作業している担当の職員がカッコいいお兄ちゃんだったし、冷房が効いて快適な部屋だったしで、特に不快感もなく待っていた。そのお兄さんは「ううん、ちょっと問題が起きたけど、大丈夫、ボクが解決しますから」とか言いながらテキパキに見えるが…その割には時間をかけて仕事をしていた。記帳だけなのだが。手持ちぶたさで机の上に貼られたパンフレットをなんとなく読んでいたら割の良さそうな生命保険の案内であった。するとそのお兄さんは「あ、興味ありますか」と言って簡単に説明した上で、上司らしき貫禄のある女性を呼んできた。金額はわずかだし、別にリスクもないってことだし、扱っているのがタイ一の銀行だし、久々の楽しかったタイ旅行の記念に加入することにした。それに今後飛行機に頻繁に乗ろうと思ったし。死亡の場合の受取人は夫にした。なんといってもタイだし書類はタイ語だし、他に対応できる人がいないからな。「書類一式用意するのに日数がかかるから、次にご主人がタイに来た時に受け取りに来てくれ」と言うから「いつになるか分からないから日本に送って」と頼んでおいたら、最近届いた。すごい豪華なケース入りで、しまうのに場所を取りそう。そこに受け取りのサインをして返送するようにメモがあった。

契約内容は全部タイ語だから、実はとんでもない内容だったなんてことがないように、サインする前に一応目を通していたら、夫が「分からないでしょ」と決め付けるので「フン、何時間もかければ分かるさ」と言ってみたのだが、面倒になって「読んで下さい」と頼もうとして、気がつくと彼も全く同じ豪華ケースを手にして「受け取り書を返送するなら一緒に送る」と言う。どういうことだ、と思ったら全く同じヤツに加入していたのだった。私が行くちょっと前に行った時に。「言っておいてくれないと何かあった時に分からないでしょう」と言うと「あと15年は死なない。死にそうになったら言う」と言う。この保険をやたらに当該銀行では勧めているらしく、外国に住むタイ人がたくさん加入しているそうだ。だから私は自分が加入するに至った状況を説明したら「それがやり方」という。で、受取人は誰にしたのだと思ったら、ニコニコしながらそのページを開いた。もちろん子供の名前2つだけだ。そしてこう言う。「息子じゃなくて娘の方を上にすればよかったなあ」と。上下で受け取り金額が変わるわけではないのに。今後、私に不労所得がころがりこむ可能性は皆無である。働ける可能性もごく小さい。闇に向かって走っている気分だ。ちなみに、夫は「これは自分が持っていた方がいいでしょ」と言って私の豪華ケースをどっかにしまった。
by kienlen | 2007-01-29 22:54 | 家族と子供の話題 | Comments(0)

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