食糧をめぐる地球規模での不安

こんな状態だとまとまった読書ができないから雑誌程度だ。この間電車で講演を聞きに行った時に「エントロピー論から見た農業-砂漠こそ基本的な自然である、という認識からの出発」という小論文を読んだ。こういう分野は全く知らないから著者の槌田敦さんという人も全然知らない。分かりやすくて怖い話だった。「世界の穀物の生産地と消費地は表1に示されるように片寄っている」から始まる。穀物を輸出している国は、南北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアという白人国家で、輸入しているのはアジア、アフリカの有色人種国家。そしてこういう風に展開する。「北アメリカ、北ヨーロッパの白人国家が食糧生産に力を入れる理由は、来るべき戦争に備えて農業を重視しているからである…これに対しアジア諸国は戦争よりも工業発展を重視し、穀物は輸入すればいいと考えているからである」。日本の穀物自給率が24%という異常な低さであることは息子が中学で勉強していることもあって時々食卓の話題になるが、マレーシア25%、韓国32%というのは知らなかった。

地球は今温暖期だから浮かれているが、間もなく地球は寒冷化する。と、白人国家は穀物を輸出しなくなり、乏しい食糧をめぐって厳しい争いになる。そして本題はこれからで、まずはアメリカ農業と砂漠化の問題に触れるが、これは古代文明の砂漠化と同じであるという。つまり農地の力は不滅ではないし、むしろ砂漠こそが基本的な自然であるということを、例えば雨が生命にとっての恵みではあっても、同時に砂漠化の基本的な原因でもあることなどを挙げて、土や海など各方面からとっても分かりやすく説明してくれる。地球も生命も農地もエンジンに例えて、エントロピーという私なんかが知らない世界を具体的に解説して警鐘を鳴らす。こういう基本的な事を自分が知らないということに唖然としてしまう。これは私の個人的問題なのか。そうともいえないような気もする。多分中学生程度の知識でも大雑把には分かるような話なのだ。知らないよりは知っていた方がいい事だ。
by kienlen | 2007-01-18 22:35 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー