味付をマニュアル化したくなるってこういう事

昨日まで一応がんばったから、今夜は仕事から離れて夫の店でちょっと休憩しようと思って出かけようとしている時にその夫から電話があった。「もしかしたら自分が厨房に入って、サービスの方でアルバイトを雇うかもしれない」と言う。新しいコックさんの料理の味がしょっぱいと客から言われたという。彼はまだ日本風の味付けに慣れていなくて味が濃い目になってしまい、お客さんが離れたら困る、ということ。これは私が再三指摘していた問題である。この店は、特別な機会に利用していただくというよりは、好きな人には日常的に来てもらって自分の家でのように気軽に食べてもらいたいというのが目的なので、毎日でも飽きないというのでなければならない。その点、今度のコックさんは物によって塩気が強いと感じたから何度も夫に伝えた。小さな店だし小さな町だし「コックさんが変わって美味しくなくなった」とでも言われたらすぐに潰れるだろう。しかし誰でも調整には少し時間がかかる。どっかから出来合いのものを買っているわけじゃないから。ただ、私からみると、とにかくベテランだし腕がいいことは間違いないし、最近は塩気の点も改善されたと思っていたので夫の電話は意外だった。

小雨の中を歩きながら、夫が料理をするようになったら大変な事になるなあと思った。それこそ家庭を顧みる余裕はなくなるだろうし、それに彼は料理はできるといってもあれだけのものをあのペースで作るのは容易じゃないだろうし、そしてサービスの方をアルバイトと気軽に言ってもそう簡単に探すことはできない。誰がそこにいるかで店の雰囲気なんて大きく変わる。とにかく次々と問題は、呼び寄せてもいないのに来てくれる。ありがとう神様。前のコックさんはたったひとつのものがなかっただけなのだ。国家という非情な装置の下で必要なアレだけ。店に入ると夫とコックさんが話し合った後だった。結局、問題のチャーハンを作ってみて、当人が「薄味」と感じるところの味にするってことで合意した。これは正解である。味を足すことはできるし、タイ料理はそれが当たり前だから。タイでは「薄味」というのは美味ではなくて「濃くて美味」という言い方の方が普通だ。だから薄味にするとタイ人達は物足りない、というのが今までだったが、どうやら在住が長引くにつれて薄味に慣れてくるようで、最近は「タイのタイ料理が美味しくない」なんて声もタイ人から聞かれるようになっている。
Commented by yamato1724 at 2007-01-20 09:12
こんにちは、拙ブログにコメントありがとうございます。インドに行って、改めてタイ料理の多様さと自由さを痛感してきました。自分で好みの味付けができるのって、タイに住んでいると当たり前のように思えてきますけど(笑)、そうじゃないんですよね。あと、外国人を見たら「辛さを抑える?」って聞いてくるのもタイの優しさなんだということも分かりました。インドは相手構わずでしたもん。
Commented by kienlen at 2007-01-21 10:29
年末年始がインド出張とはお疲れさまでした。インドとの比較でタイをみるといろいろと分かりやすそうですねえ。私はバンコクにいる時のランチはよくインド料理の店に行ってました。
by kienlen | 2007-01-18 20:56 | タイの事と料理 | Comments(2)

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