蜘蛛の糸をやみくもにつかむ

年末年始、特に年始はほとんど誰からも電話がなく、これはもう仕事もない、生活していけない、この年齢ではパート勤務も無理だし、という絶望感のみだった。その上、夫がちょっと投げやりになっているように感じられる。料理も作らないし洗濯もしないし、店の休憩時間に帰宅もしない。ここまで面倒見てきた子供に親への忠誠心あるように見えず、息子ときたらろくに口もきかず、娘もそのうちそうなると周囲に言われ、というわけで、こんな日本の希薄な親子関係・家族関係文化は嫌だ、タイに帰ると言い出した。自分の基盤がしっかりしているとなんとか持ちこたえるけど、こっちもグラグラの時にこういう事を言われると、心の隅々にまで響く。もう、崖っぷちで落ちるのを待つのみの気分。ここはちゃんと話し合いしましょうか、と言ったのだが、やっぱりやめた。そもそも私には人に強制的に接することができないという家庭生活を営む上における大きな欠点があるから、話し合いなどしたら、自由にして下さい、と言いかねない自分が怖い。これって相手に対する甘えと表裏の関係なので、オセロのように全部裏返しになる危険と隣り合わせということだ。ムンクの絵の叫びが浮かんでくる。

それで放置を決め込んだ。人の気持ちなんて瞬間瞬間変わるものだし、どっかの瞬間を捕まえたって、すでにその瞬間に相手にとっては過去になっていたり下になっているに違いない。そうこうしていたら、日付が変わったから昨日になってしまうが、珍しい人から電話もあった。こんな精神状態の時だから、それだけで嬉しくて無料奉仕の仕事まで引き受けてしまう。もしや、透視されていたのか。その後で、本物の仕事の方も、実はそんなに呑気な状況にない、ということにも気付いた。こうして蜘蛛の糸のように、救いの糸はそこかしこに垂れていることに気付く。1日1日、細い糸を見失わないようにするのみだ。
by kienlen | 2007-01-11 01:11 | 仕事関係 | Comments(0)

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