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落ち着いて尋ねてみるべきこと

3時間運転して温泉に行った。目的はその温泉そのものというより、その温泉のある村に1度行ってみたかったのだ。かなり遠いので8時半には出るからと告げてあったのに誰も起きてこない。朝食用のおにぎり作って息子用のランチ作ってから娘を起こして父親も起させる。約束通り自分の運転で出たが、私が山道ばかり通りたがるのに対して娘は山道で酔うから結構悲惨、ということを毎度無視して今日も山道を行った。それでも果敢に乗車する娘は偉いと思う。到着までに3時間もかかった。夫はいつものように寝ている。同じような価値観で同じようなものに感動して同じような事で泣けるような間柄の夫婦だったらいいだろうと思うのはこういう時である。そういう人生に恵まれた人を心底羨ましく思う。私はどっかに行ったらなるべく見ておきたいと思うが、夫の方はきれいな景色であろうが何だろうがいつも寝ている。まあ、一般的タイ人の感性からして、完全に冬仕度に入って枯れたも同然の木ばかりの山を見て、美しいと感じると思えないから、本日に関してはしょうがないと思うが、新緑であれ紅葉であれ似たようなもの。

山中に一軒だけポツンとそば屋があるのを発見して、帰路に寄ろうと決める。夫は温泉に併設の食堂で食べればいいじゃないかと言うが、どうしてもあの店に寄ってみたい。ここで意見の食い違いから議論やら口論になることはない。常に私の意見が通る。彼の口癖は「レーオ・テー(きみ次第)」であり、こだわりがない。元々の性分なのか私といてそうなったのかは不明だが、多分前者だと思う。そば屋は東京生まれで東京育ちのご主人がひとりで切り盛りしているもので、この地が好きで何度か通い、とうとう引っ越して2年という。家族は東京だから1人暮らし。「住んでみると大変です」というから理由を聞いたら、まず寒さと、それからコンビニやネオンがないこと。賑やかな環境が身についてしまっていたことに移住して初めて気付いた。こちらが食べる時間がないほど話す様子に、そのひとり暮らしぶりを想像する。私がつまるところ都会に馴染めないのと逆。南国のタイとこの寒い山国の差はもっと大きいと思う。そんな事を夫に尋ねてみるといいのに、他人だったら躊躇するまでもない質問なのに、なんで夫婦だとやっかいなんだろう。
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by kienlen | 2006-12-24 19:52 | 男と女 | Comments(0)

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