午前中は裁判の傍聴へ

食欲がなくて困った。これは恋した時の典型的症状ではないだろか。食堂に入る代わりにインターネットカフェに入った。朝、8時半にチェックアウト。ホテル内でビール飲んだりネット使ったりで結構な金額を浪費する。公言できない金額だから黙っている。フロントで「裁判所に行きたいけどどっちの方向か」と聞いたらドアマンがホテル前で待機している運転手を呼んできた。こういうのは高額だし、道でタクシー拾えるから余計なお世話なのだが、どういう反応か見たくなるからお任せ。「この人裁判所に行く」とドアマン。すると「青年か大人かなあ」とかブツブツ言っているので「大人」と自分で答える。すると「300バーツ」と言うから、ここまでくると交渉の余地がないのではっきり要らないという。100バーツくらいにしておけば高いのは分かっても話し合ってもいいんだけどね。すると、その人がまた別の人を呼んできて説明。ううむ、自分でできるのだが、タイはどこもこういうことになる。250バーツでもいい、とか言っているから「乗り合いトラックで十分。そんないいタクシー不要」と言って乗り合いを止めたら、こっちも高くて100バーツだった。こんな値段を今回の関係者のタイ人に話したらあきれられるだろうことは分かるが、面倒くさくなってOKする。ここらへんの根性はない方、というか、自分のように旅行者でもなく在住者でもなく、ここまで足を突っ込んだ状況にいては、半端なのだ。これはまた考察対象ということで。

裁判所は100バーツの価値のある距離ではなかったが、町中でもない。広大な敷地内に偉そうに建っているが入ると、2人の警備員が緊張感もなしにいた。「傍聴したい」と言ったら「どっから来たのか。えらくタイ語が上手じゃないか」とか、どこでも同じような文句で本筋に関係ないことを言ってくる。さらに「あ、こっちに彼氏がいるんだろう」と言うから「まだいない」と答えたら笑っていた。日本の裁判所に外国人が傍聴しに行って、こういうやり取りは想像しにくい。パスポートを預けて受付を通過したという証をもらって胸につける。でもどこで何やっているかわからないから「刑事事件があるか、できれば麻薬」と言ったら予定表のところに連れて行って「これ読めるか」と言われた。「読めるけど時間かかるから教えてくれ」と頼む。あるというから時間を尋ねると「9時過ぎ」。9時10分だから「ちょうどいいね」と言ったら「まだだよ」と言うから「9時10分過ぎ」と言うと、じゃあちょうどか、と言ってまずは事務室まで連れて行って挨拶して、それから3号法廷の前で待っているように言われる。

だから待っていた。法廷用のユニフォームの人が出入りしているが始まる様子なし。でも一緒に待っていたほかの人が入ったから私も入った。始まる様子なし。サインさせたりしているだけだ。それでユニフォームの人に「公判はまだか」と聞いたら、なんだこのヘタなタイ語は、って表情をしながら「ここではやらない、今日はない」と言う。それで受付に下りていってそれを伝えたら「やるはず」と言って戻された。「ここに待っていれば警察がくる」とまで言うから待っていた。裁判官も検事も弁護士らしき人もいるのだが、次々とサインさせているだけ。そうして1時間近くになろうとするから隣にいた人に「ここで公判あるんですよね」と聞いたら「あります」と言うので安心して「何時から」と聞いたら「9時のはずだった」という答え。もう10時だ。で、その人も業を煮やしたのか職員らしき人に「まだですか。この人(私のこと)も待ってますけど」と言ってくれた。そしたら「この部屋で公判はない」と言う。もう、意味不明。昨日ワレンにバンコクの様子は変わったか、と尋ねたら「ある部分は変わっているが、ある部分は変化なし」という答えだったが、ふむふむ。

受付があてにならないので、事務室に言って聞くことにする。とにかく男性より女性の方が信用できるということはタイではかなりの確率で確か。彼女はこちらを覚えているからアレって顔をしたが、ここは丁寧に「3号法廷ではやらないので他を見たい。できれば外国人」と言うと書類をめくって「外国人は…、山岳民族ならあるけどねえ」と言うから「じゃあ、麻薬」と言ったら「ない。つまり争ったりするのを見たいわけね」と言うのでそのとおり。するとどっかに電話してくれて、「17号法廷の前で待っていると係官が出てくるからそれに従って」と言われた。部屋の前に言ったらすぐに、ショッキングピンクのど派手なタイシルクのスーツの女性が出てきて「お行儀よく座っているように、携帯は切るように」と言うから、持ってない、と答えると入れてくれたのだが、これが証人尋問の真っ最中なのだった。入るのは日本の裁判所も自由だけど、係りの人があの場所から来て案内はしないだろうと思われる。

とにかく座って聞く。証人尋問だけの様子だった。村で、ちょうどメーンの家でやったような儀式に集まった人の中に入ってきた人がビール瓶で人を殴り、爆弾を3発爆発させたという事件。検事が質問して証人が答えるのだが、大変役にたった。ほとんど理解できたことに自分としては嬉しくなる。まだ時間が少しあったのでまた受付に下りて行って「結局3号はなかった」と言うと「そんなはずはない。あるある」と予定表を見せた。これがアテにならないということを受付が知らないというのは問題であると思う。まだお昼まで30分あるからもうひとつ見たいというと10号法廷を教えてくれる。部屋を探していたら、さきほどの公判で弁護士席にいた人とすれ違って、彼の方から「日本人か」と声かけてきた。「法律を勉強しているのか」というから、そうじゃないけど傍聴したいのだ、と言うと10号まで連れて行ってくれたが終わっていた。「弁護士さんですか」と聞いたら「そう。日本も同じか」と聞かれる。「同じだけど、こっちは部屋が狭いですね」と言ったら「裁判員制度ができるから広い場所がいるんだろう」ということ。タイでは予定なし。

証人席に来た3人の若者と今回の件の関係者の違いを見れただけでも、ひじょうに興味深かった。午後も見たいと思ったが何か食べないといけないので一旦でる。ワレンをランチに誘うために、街中に出て電話したがつながらなくてお金ばかりかかる。裁判所前から拾った乗り合いタクタクシーは30バーツだということで合意したが、乗ったら中に「一番遠くて15バーツ」とタイ語で書いてあった。お金を払う時に一応そのことを聞いてみた。何で言うかなと思ったら「それは街中の場合であそこは遠い」という返事。それもあり。ちなみに「ここから裁判所までならいくらって言うの」と尋ねてみたら「郊外だから雇っていくようになるから高いよ」ということ。こういうやり取りが外国人用なのか、これだけの期間では分からない。この分からなさもいいんだけどね。
by kienlen | 2006-12-13 15:26 | タイの事と料理 | Comments(0)

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