本日の行動

朝、ホテルを出て歩いていたらインターネットカフェを見つけた。聞いてみたら1時間20バーツ(約60円)という。ホテルでは24時間以内に1時間だけ使えるサービスが210バーツ(600円)して、有効期限が4日にのびて使用時間が4時間だか5時間だかのが600バーツくらい(1800円)で高くてためらって、試しに1時間のやつを申し込んだだけにして良かった。ただしネットカフェの問題は朝9時から夜も9時でおしまいってこと。ホテルだったら24時間可能。とにかく値段の確認だけしてから6年だか7年ぶりのタイを歩いた。ホテルのある場所は中心地から離れているらしいことは予約の時点で予想できて、移動はタクシーにしようと思っていたのだが、チェンマイに詳しい友人にホテル名を言ったら「キャア、そこって、今一番おしゃれなカフェとかある所よおお」と言われていて、一方では期待もあった。確かにそういう目で見ればそんな感じがしないでもない、という雰囲気だ。それでちょっと散歩していたら、行ってみたいと思っていたチェンマイ大学にぶつかった。タイ語留学するならここも考慮に入れたいと思っている所。問い合わせてみようかと入ったが、王様関係のイベントらしきものをやるところで車がいっぱいで面倒くさそうでやめる。

また歩き始めたら乗り合いトラックが横付けしてきて窓をあけた。タイでは交通機関自らが売り込んでくるので便利。「洋服買いたいんだけど、どっか市場へ行きたい」と言ったら、すかさずナントカって名前を言うがチェンマイに土地勘のない自分としては知らない。「知らないけど、そこ行って。いくら」と聞いたら「30バーツ(90円)」。いきなり安くでた、ということはかなり近いのかもしれない。こういう時でも値切るのはインド帰りのツワモノだが、私は日本からの客人なのでOKする。手を挙げる客を断って走り続ける。ずっと走る。これで30バーツでいいのか。やっと別の客を乗せた。行き先を聞いて同じ方向だったら乗せるのだろう。実に合理的なしくみ。結局町内観光っぽい経験までさせてもらって、到着した先は本物の市場だった。ううむ、ここで服買うのはいいけど、日本で着るには勇気のいる感じのものが並んでいる。ブラブラしていたら本屋があったから、今回の目的である辞書があるか聞いた。この辞書は日本の学校で勉強しているタイ人たちが決まってもっているもので、なかなか気のきいた言葉が掲載されている。日タイの辞書で小型で使えるものがなくて困っているから、これを絶対に買いたい。

書店の女主はすごくテキパキタイプ。「ウチにはタイと英語しかないけど、DKがいい」と言うから「徒歩の距離か」と聞いたらそう遠くないと言って、いろんな道路の名を言うのだが、バンコクならともかく、チェンマイじゃあ、全然わからない。そしたらすかさず「地図描いてあげる」と言う。こんな事をタイで言われたのは初めて。細かく描くので「上手ですねえ」と言ったら「こういう分野を勉強したかったから得意なんだ」と言う。「義理の妹が台湾人でその子はいろんな言葉ができる。中国語も英語もドイツ語も」と、タイではよく聞く話を聞かされた。すごいねえ、と答えてお礼を言って出たが、チェンマイも車が増えて、道路はメチャクチャの混沌状態。こんな所を横切れって言っても無理だ。と、道路の向かい側に止まっていた輪タクのおじさんが「乗るか」という合図をしてきた。乗らないという合図を返したのに、私が絶望して見ていた道路をすぐに悠々と渡ってきて「どこまで行くのか」と言う。「本屋。歩いていくからいい」と言ったが「あんな所まで歩けないぞ」と言う。歩くのは平気だが、来るもの拒まずが方針であるから、価格を聞いたら「俺にいくらくれる」と尋ねる。これもよくある物言い。とにかく土地勘なしだから困る。「先に決めてくれ」と答えると先方も「先に決めてくれ」。でも続けて「以前に40バーツ(120円)で行ったことがある」と、芸のあるアプローチ。さっきの乗り合いトラックを思うと高いのはわかるが、この炎天下の自転車じゃあ、そのくらい払ってもバチあたらないだろうから同意。

そんな小銭よりも気になるのは交通事故だ。こんな恐ろしい道路を自転車に引かれて行くのは飛行機に乗るより危険そうだ。同意したものの「こんな道どうやって走るの」と怖気ずいてみせたが、もちろんマイペンライ(大丈夫)だ。何事も体験したくなって後で後悔することはママあるが、ヨロヨロの自転車で車とバイクの間をすり抜ける経験もスリリングだった。で、目的地はやはり近かった。「この次どこ行くんだ。サービスで送るよ」と言うけど、本屋に入ったら長時間になるのは確実だから断って写真だけ撮らせてもらう。後でアップする予定。ついでに「この稼業は長いの」と聞いたら、よくぞ聞いてくれたって感じで「今、大学を卒業しようとしている娘が幼稚園の、こんな小さい時からだからもう20年。しかもずっとこの自転車で。スゴイだろ、その稼ぎで娘を育てたんだ。酒もタバコもやらない」と言うから「この仕事でタバコは吸えないでしょう」と言うと「体がもたないよ」と笑っていた。

チェンマイまで来て本屋で時間を費やして、さらに問題なのはたくさん買ってしまったことだ。タイのは紙質と製本の関係で本がいっそう重たい。辞書類を中心に選んだので悲惨。なるべく体験したい性質と、その場の思いつきを優先して解決法は後で考えるという癖はもう直らないだろう。将来が思いやられる。それに、さっきの自転車運転手のような人たちと高級車を乗りまわす人々の隔絶がタイ社会であると、昔からなんとなく感じていたことが、そのまま前書きに書いてある英語の本を偶然発見してしまって、つい購入する。買ったものの重たすぎるので本屋に預けて何か食べようと思って歩いたが、付近には外国人が多くて、こういう半端な店がおいしくないことは体験上予想できる。ある一線を越えた高級店は例外として、オープンエアーで、半ズボンとバックパック姿の欧米人がたむろしている店で美味しいと思うことはないのだ。

ホテルの付近で食べることにして、また近づいてきた乗り合いトラックがあったから「リンカムホテルに行きたいけどいくら」と聞いて30バーツを確認してから「その前にちょと本屋に寄ってくれ、モノを取って来るから」と頼む。この優れものトラックに乗っていたらお坊さんも乗り込んできて「どこに行くのか」と聞く。私がきょろきょろしていたせいだろう。「だったらその道をこっちに行ってあっちに行って、その先だからもっとかかるけど心配ない」と言ってくれる。別に心配していないが、お礼を言う。次に「勉強を教えているんですか」と聞くので「いえいえ、旅行です」と答えると「なんでタイ語ができるんだ」と、いう具合に始まってずっと話しながら行く。まだまだチェンマイにはさまざまなコミュニケーションの場が生きている。タイを好きになる人の気持ちは分かる。なんだか、今日は、私ももしかしたらタイに惚れているのかもしれないという思いが、突如としてわきあがってきた。今まであまりいい思い出のない町だったけど住みたくなった。移住先としてはいいかも。もっとも仕事して日常を送る場とした場合に、惚れることができるかどうかは、ほとんど自信なし。
Commented by tate at 2006-12-08 22:20 x
タイで何だか生き生きしてますねー。
最後の3行、「結婚相手の男」に置き換えるとまた味わいが・・・。
Commented by クリス・ティー at 2006-12-09 10:52 x
kienlenさんから「惚れる」という言葉...いいっすねえ~。妙にセクシーっすねえ~。
Commented by kienlen at 2006-12-12 12:25
tateさん、いつも鋭い洞察で、その通りでございます。クリスさんはいつも色の方の話題でその通りです。旅行者気分を維持して新鮮な目でタイを見ようと思うんですが、もうだめになってます。
by kienlen | 2006-12-08 17:45 | タイの事と料理 | Comments(3)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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