どこに面白みを感じるか

映画の関係ではひとつだけ時々アクセスして定期的に読んでいるページがある。映画評論家が書いているもの。取り扱い量が多くないし、こっちでは公開しないものが多いので、これを読んで選ぶというほど直接参考になることは少ないが読み物としてとっても面白いのはさすがプロ。で、そこで、この間私もみた『父親たちの星条旗』の評価が大変高いことを知った。ほとんどベタ褒め。観た後で読むと、確かにごもっともごもっとも、と思える。アメリカとの戦いにおいて硫黄島での決戦がいかに重要な意味をもっていたかを教わったし、米軍の内部が一般に流布するほど人道的でもないし、アメリカがあの戦争を続行するために焦っていた様子が、実際にあったエピソードを通じてうまく描かれている。同じ監督の『ミスティック・リバー』だって、弱者への視線とかアメリカ社会の暗部をえぐるとか、うまく描写されているとは思った。きっといい映画なんだ、でも好きか嫌いか二者択一問題だったら迷わず嫌いに丸をするな。

なぜなんだ、とずっと考えている。暇にまかせて。それで思ったのは、単純なことだが、私にとっては、映画って感情移入できないとなあ、というのがある。その点、イーストウッド監督の2つは、そして多分『ミリオンダラーベイビー』もそういう予感があるのだが、誰にも共感できないのだ。だから終始ストンと胸に落ちない感覚がつきまとう。ただ、その意味では『太陽』なんて、もっともっと共感できない。そもそもヒトっぽい存在がないし。でも、これ面白くはなかったけど好きか嫌いかと聞かれたら嫌いとは答えない。この違いは、内に向かうか外に向かうかの相違だと思う。太陽は芸術作品として自己満足って気がした。だからハイハイご自由に、と思う。これは私にとって不快感はない。でも前者のは結構説教じみている。冒頭から「物事は善か悪かで言いきれるものじゃない」みたいなセリフがあって興ざめだったけど、どうも、固定的な価値観が根底にあって、それを払拭させてやろうと言い聞かせながら作っているような印象を受けてしまう。人生の途中で何かのきっかけで何かの価値観が極端に転換した人にありがちな、なんかそんな感じを受けてしまうのだ。ヘンかな。
by kienlen | 2006-11-25 20:07 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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