新聞は疑問符の宝庫

新聞って本当に面白い。今日もこういうのがあった。タイトルは『「毎日家族で夕食」25%』。政府が初の食育白書を決定したというもので、こんなネタは穴埋めの娯楽で、だから枠で囲んで広告欄にもっていってPRという文字をくっつければ、そのまんま政府広報なのだから、書く側はさぞや楽だと思う。広告費もらってないからチェック厳しくない、どっかからクレームつくような内容でもなかろうし。だから気が緩んでいるのかどうか知らないが、正体不明な記事がかなりある。特にアンケート調査を使って科学的っぽく見せかけたものは、その手のオンパレード。とにかくこういうのは製作者側のほっと一息なんだ。でも本当にそれでいいんだろうか。一息のつき方だって、もっと芸が欲しいと思うんだけど…。

表やらグラフの作成も私にだってできるくらいのパソコンの進歩だから、カラーグラフが載っている。1976年から2004年までに行われた別個の調査から「家族そろって夕食をとる回数」を取り出して比較する、というよくある手法。実際の調査項目がどのようなものかは不明。記事は「家族そろって食卓を囲む回数が年々減り、毎日夕食をともにしているのは4世帯に1世帯」と始まる。私などここで「毎日」一緒がこんなにあるなんて本当かとびっくりする。毎日ですよ、毎日!!雨の日もかぜひいて寝込んでいる日も出張の日も??なんて言ってはルール違反か?ルール違反のついでにいえば、政府の問題意識(国民に植え付けたい・筆者注)そのまんまに、家族一緒の食卓の減少を問題扱いしている風な記事構成ですが、私の乏しい付き合いの中で記者の方で毎日家族と夕食を共にしている人は、知る限りひとりもいない。それどろか、こんなライフスタイルじゃあ「家庭崩壊」だとか「結婚できない」とかの声の方がよく聞く。

以上の横道はおいておいて、とにかく不思議なのは、家族一緒だと栄養バランスが良くて、楽しい食卓だとの主張。何でこれが結びつくのか?本当ですか?外食だと嫌いなもんがあるから家で好みの食事だけしている人っていないのかな?気の合わない家族だったら?で、家族というからには単身世帯は調査対象から除外されているんだろうと思ったら、問題として挙がっているのが「…単独世帯の増加や女性の社会進出、外食の機会増などで…」ってことは、単身世帯も勘定されているわけですね。となると、単身世帯の人が毎日家でひとりで食卓囲んでいる場合はどう評価されるんだろう。それとも単身同士が一緒に食卓囲んだら?しかもその彼あるいは彼女は栄養バランスへの極度な思い入れがあって、毎日素晴らしいバランスで食べていたらどうなるの。確か英語のfamilyは複数が前提だが、日本語の家族が何を意味するかは定義が曖昧だったような。「女性の社会進出」に至っては、もう呆れて書く気力も失せる。そうしてバカバカしいとして発言しなくなる。そうしてバカバカしい発表者側はますますのさばる。それを支えるのはこういう記事なんだ。
by kienlen | 2006-11-25 10:24 | 読み物類 | Comments(0)

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