彼女の消息

タイ語の表現で不明点があったので夫に尋ねたら、いつものようにほとんど無関心に適当に答えて、「そんな言い方は知っているからもっと違うのがないの」と私に言われたら、そのついでのようにえらく重要な事を言った。「兄の娘が行方不明になっている」と。夫の兄は高校から米国に留学して以後、実家とはほとんど音信普通で米国で生活していた。私が夫と知り合った時は「兄がアメリカにいるが連絡がない」と言っていた。冗談かと思ったら本当で、そのうちにバンコクに来て、その上、留学中に知り合った日本人のカノジョまで連れてきた。この兄という人は日本語なども、まさにあっという間に上達して、頭がいいってこういうことを言うのだ、と目の覚める思いでいたら、生まれた双子のひとりが天才だったのだ。見たことのない博物館の所蔵品なども目録で覚えてしまうし、タイ語ができないのに、タイへ行けば言葉をすぐに覚えるし。凡人には羨ましい限りだが、そうとばかりもいえない。まず友だちができない。同年齢の子なんてばかばかしくて付き合っていられない。幼稚園の時はずっと園長といたそうだ。学校もバカらしいから行かれなくて、許可をもらって不登校。もちろん私も会ったことがあるが、とにかくウチのような全員落ちこぼれ家族から見ると、全員が優秀すぎて秩序があり、話す話題から何から別世界なので、彼女ひとりが特別にも思えない、ということろ。息子より1歳下なのに雲泥の差、なんていう陳腐な言葉が脳裏に舞っていた。

そんなわけで、親としてはアメリカやシンガポールなら特別な子のプログラムがあるから移住を考えていたみたいだが、問題は双子の片方はフツウであることで、こっちはフツウに日本社会に適応している。何があったかなかったか知らないけど、今まで日本で暮らしていた。で、どうやら今までも家からいなくなったことはあって、警察にも通報したそうだが、今回も警察に頼んだそうだ。「1人でいるのが好きで、学校の騒ぎも嫌いだし、人と協調することができないんだ」と夫。その点は私も心当たりあるが、桁違い。これまでは警察を待つまでもなく自分で帰宅したというから、今回もそうであると信じてはいるが、直接的にはメーンの一件、間接的には友人の知人が放火事件の犠牲になったり、路上で恐喝の被害にあったり、ガンになったり、肺炎になったり喘息になったりが同時多発しているから心配だ。何もなければいいけど。
by kienlen | 2006-11-22 11:06 | タイ人・外国人 | Comments(0)

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