夫婦の間と言葉の問題

昨日、いつものように孤独に煮詰まっていたら、携帯に電話が入った。知らない番号。出ると、自分の名前を名乗らず私の名前を確認する。で、いきないり用件を話し始めるからさえぎって「どうしてお知りになったんですか」と聞いたら「市の国際室に聞いたら教えてくれた」と言う。ここでは冬季オリンピック開催の時に国際化だとか外国人支援が盛んだった。市でも緊急時の通訳とかいって1回か2回会合をもっていた。それから10年、何もないのにデータは生きているんだと負の方向に感心。そしてこんな応用も勝手にしちゃうわけなのだ。しかも当人の了承なしに。以上は私の胸の内。結局、相手の男性の用件というのは「このまま飲み続けたらあと3か月で死ぬって医者から言われているのに妻(タイ人)は平然としている。意味が分かっていないようだから通訳してくれ」ということ。アルコールは自分の意思だけでやめられないから中毒になるのであって、私だって心当たり大有りなので自信をもって「だって、そう簡単にやめられないでしょう。特に配偶者にやめろって言われてやめる人ってそういないんじゃないですかあ」と私。相手はまじめそうに悩んでいるようだ。

悩みが深いのは充分想像できる。パートナーが酒に溺れていたら苦しいだろう。でも、これが言葉の問題とはとても思えない。私は通訳というものについて、日頃から考えていることを伝えた。「通訳が通訳という立場でそこにいるってことが保障されていないとうまくいきません。例えば医者との間で医療通訳、これはありですよね。司法なら司法、工場とか職場もあり。でもね、今私がお宅に行ったとして、奥さんにしたら、この人誰よ、ってことになる可能性大きいです。特に夫婦の間の感情的な事は私には訳せません。逆に彼女をさらに怒らせて信頼関係失うかも」と、まあ、こんな内容。しかし、人はこういう時、話したいのだ。だから聞くのは構わない。結構な長話になった。心当たりの相談機関や外郭団体でもタイ人の相談担当者がいるので紹介しておく。日本人同士だってこういう悩みを抱えている人はわんさかいるだろう。言葉の問題だと思えるって、ある意味ラッキーかもしれない。しかしそんな自分への言い訳で時間稼ぎしている間に事態はここまで進行したってことでもある。「そっちの機関をあたってみた方がいいでしょう。で、通訳つけて欲しいって言ってみて下さい。私の方は話を聞くだけなら大丈夫ですから電話はいつでもどうぞ」と言って切った。これ以外の対処の方法を思いつかないでいる。
by kienlen | 2006-11-07 08:29 | 男と女 | Comments(0)

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