掃除機の音が父を驚かせた

まだベットでぐずぐずしている時間に、父が野菜を持って立ち寄った。ついでに、チューリップが増えすぎたから数個ウチの狭い庭に植えたい、というから、勝手にやってくれと言った。私の方も起きぬけのコーヒーに誘った。その時に2階で掃除機をかける音がした。父が驚いた様子で「誰かいるのか」と言うから「K(夫の名前)だよ」と言ったら「よくやってくれるなあ」と言う。「よくやるなあ」だったら気にならないが「やってくれる」となると、まるで私のためにやってくれるようなニュアンスでやりすごせない。「だって生活費は私が出しているんだし、当然でしょ」と言ってから、これじゃ従来の関係を逆転させているだけで、下手すると「誰の稼ぎで食ってるんだあ」と殴る蹴るに発展しそうなんで取り消し。「というのは、冗談で、できる方がやるのは当然でしょ」と言っておく。実際、これが我が家の実態。父は無言。男として同情はする、でも娘に苦労さしたくない、という複雑な父親心理、というほどおおげさなものではないと思うが、たかが掃除機の音でこういう反応があるのは面白かった。

私は、日本で結婚する人が減っている大きな要因は、よく言われるように女性の社会進出だの経済力だのじゃなくて、男性が家事の責任を平等に負わないからだと、かなり固く信じている。「男は手がかかる」と言う女性は多いし、だから結婚というハードルが高くなる。手がかからないどころか、負担が半分になるんなら、少なくとも、その負担を「負担」と感じる人にとっての障害が減るはずだ。ちなみに負担なんて言葉を使うのもおぞましいお世話好きの人は、そういう事で悩まないんだろうからいいんだけど、私は極端に苦手なので、どうしてもこういう事が気になってしまう。よく、男性に結婚する理由がなくなったのも、コンビニがあって料理をしてもらう必要がないから、なんてことが言われるが、一体、たかが自分が食べるご飯を作るのにどのくらいの手間がいるんだろう。こんな事で考え込む自分もバカバカしいが、考えてしまう場面が今だに多いものだから、ついこんなことになってしまう。
by kienlen | 2006-10-28 18:42 | 男と女 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
プロフィールを見る