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付き添いで東京入管へ

たぶん我が家は挨拶の少ない家庭だ。でも子供達は学校で叩き込まれているおかげで、挨拶ができるようだ。ちょっと前、息子と、ちょっと離れた都市の、知らない学校の校庭を横切っていたら、知らない土地の知らない家族連れとすれ違ったのだが、息子はいいタイミングで「こんにちは」という挨拶言葉を発していて驚いた。どっかの新聞の投書欄に「いまどきの中学生は挨拶もできないと言われていますが、先日…」なんて、投書が載らないかな、と楽しみだったけど気付かなかった。タイの家庭で家族員同士が顔を合わせて「サワディー」と毎日挨拶するというのはあまり聞かない。「いただきます」「ごちそうさま」も「行ってきます」「おかえり」等も挨拶語としてあるわけじゃない。ただその場で「おいしそう」とか「もう充分」とか「帰ったよ」とか「誰かいるか」とか臨機応変。

ここが日本だからといって、夫が私や子供達に向かって挨拶するわけはなく、黙って出て行き黙って入ってくる。娘も「パパっていついなくなってるか分からないよね」と言っているし、家にいるのを知らずに携帯に電話したこともある。あまりにひっそりとしているので、小さい家の中でも気付かない。ところが今朝は「行く」と声をかけて行った。時計を見ると5時半。東京入管へ出頭するタイ人の付き添いで、東京へ行ったのだ。タイ人に日本的な意味で挨拶の習慣はないと思われるが、付き添いの習慣は私から見ると不思議。相手の新幹線代、時には日当まで負担してまで一緒に行ってもらうのだ。理由を聞けば「1人じゃ寂しい」というだけ。1人の食事、1人暮らし、1人旅等はみんな「寂しいもの」ということになるらしい。彼らの行動を見ていると、形式的挨拶から始まる関係という線引きの向こう側に住んでいる人達って気がする。
by kienlen | 2006-10-16 10:56 | タイ人・外国人 | Comments(0)

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