下請けの下請けの、これも最先端

面接に行った、というのは大げさ。年齢的に今更どっかで採用してもらえるはずはなく、単なる一外注先として登録されるだけのことだから、履歴書も持参せず名刺のみで、カジュアルな服装でブラッと行くだけだ。先方にとっては、どんな人であれ、使える人材であればいいのだし、当方にしたら受注後は自己責任だし、頼るものはない。でも、とにかく日銭稼ぎは必要だから、話をいただくとありがたく出かけて行く。しかし、日銭稼ぎだけでは苦しい。ある程度のやりがいを感じられる仕事があった上で日銭稼ぎをするのと、日銭稼ぎ仕事のみなのとは、雲泥の違いがある。で、自分にとって何にやりがいを感じて何に感じないかは、今の年齢になると分かるので、区別がついた上で受けるなり受けないなり決められるのは、やみくもだった若い頃より楽であるような、分別ゆえの悲しみであるような…。

それでもなるべく枠内での希望を伝えることにして「ゴーストライターやりたいですね」と言ってみた。これはある意味あこがれの仕事。人の名前で自分の好きに書くなら責任がなくていい、なんてできるわけないが、誰かになりきって誰かのごとくに表現するというのは楽しそうではないか。しかし、待ってましたとばかりに提示されたのは、中央の仕事の下請けのまた下請けのまた…が何度か続いていそうなもの。そして自分の立場ときたら言うまでもない。やりがいは遥かかなたで陽炎の燃えカスになっている。雑談で自宅の場所などを聞かれる。「あ、近くですよ、自転車で15分くらいでしょうか」と言ったら「自転車…」と驚いた様子。そして「あの、車、大丈夫ですよね、その取材とかの時…」と遠慮がちにおっしゃる。「もちろん、専用の車あるし1人でどこでも行きますよ、アハハ」と言ったのだが、心の中では「そのギャラでガソリン代は…」と赤信号ぴかぴか。中央と地方の格差がここにも歴然、と騒いでみたところで始まらない。自転車で移動できるのも幸せといえばいえるしな、と、下向きになりがちな自分を励ましながら自転車を走らせた。
by kienlen | 2006-09-11 21:37 | 仕事関係 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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