留学生向け生活の手引き

県が受け入れているアジアからの留学生の中のタイ人高校生の日本語指導のために、某高校に週2回、2時間ずつ、3か月ほど通うことになった。その打ち合わせでその高校の先生に会った時に、留学生向けの「生活の手引き」をいただいた。ページを開いて「はじめに」があるのはフツー。で、いきなりこれである。「この生活の手引きは、留学生の日本における生活が円滑に行われるための手助けとするものです」。日本語初心者の高校留学生向けなので、漢字にはご丁寧にふりがながある。でも、読む=理解、ではないだろう、まさか。その後も難解な日本語が、ふりがな付きで続く。「帰国後、自国の農業の発展に貢献できる資質をみがくこと」「国際的視野をもち、日本語と日本文化に対する理解を深めること」以下諸々諸々。大人向けではありません、アジア諸国からの、日本語がほとんどできない留学生に向けた、彼ら、彼女ら当人用の手引きです!こういう言い回しをアメリカやイギリスやフランスの留学生に向けて書くかと聞いてみたいものだが、それ以前に、これら教育委員会用語を野放しにして、そもそも日本の高校生は「国際的視野」に立てるのでしょうか。以下、すべてふりがな付き。日本語チョー初心者用。

「はじめての挨拶や食事時での畳での座り方は、正座が基本である」「服を脱衣所で脱いだ後、裸で浴室に入る」「シャワーがない場合は、桶をつかって湯を体にかける」「口の中に食べ物を入れたまま、話をしない」「就寝時の窓の開閉、部屋の施錠等はホストファミリーと相談する」「ゴミのポイ捨てはしない」「個人使用のものは、自分で購入することを基本とする」「並行して走ることはしない」。もう書けない。笑ってしまう。桶って今時の日本の高校生知ってるのか。ポイ捨てって教育委員会でも使うんだあ。食事時での畳での、って教育委員会日本語としていいのか、施錠ねえ、基本とすることねえ、並行して走るねえ。コミュニケーション手段としての英語とかあるけど、これって、ほとんどコミュニケーション拒否手段としての日本語の世界に感じるのは私だけでしょうか。
Commented by 雹湖 at 2006-08-17 07:46 x
その手引きは某都道府県県教育委員会のオリジナルですか?それとも文科省が地方教育委員会向けに作ったもの?いずれにしても、「正しい日本語や日本」について、考えさせてくれるヒントが見え隠れする感じですね。
通りがかりの人から幼い息子に「いくつ?」と年齢を尋ねられることがあるが当人には分からない。「何才?」と聞いてくれた方が親切。ほかにも我が子たちが、じいちゃんに「匙を持ってきて」と言われて戸惑っている姿や、「お行儀よくしてなさいよ!」とばあちゃんから告げられてきょとんとしている様子などに、「通じてないぞ」と感じること多々あり。さすがに、背の高さを聞くのに、「丈はいくつ?」と言われることは私の子ども時代で終った思われますが。
Commented by kienlen at 2006-08-17 08:20
県教委オリジナルと思われますが、マニュアルがあるのかどうか不明です。ついでに「アジア留学生受入事業留学生心得を遵守してください」ともありましたから、手引き以外に「心得」もある模様です。これも入手したいと思います。ついでにウチの同年代の息子にこの手引きが理解できるか、これに沿ってできるか尋ねてみます。
Commented by ワイン at 2006-08-17 22:51 x
「ありがちだ・・・」とため息が出ます。疲れると思いますが、どうか、ずれている県教委に、何らかの方法で伝えてください。何が無意味で何が問題かについて、誰かから指摘を受けなければ、永遠にわからないのです。指摘を受けたからすぐに変わるとも思えませんが、少なくても、一石を投じることにはなると思います。
ありがちです。本当に。市民が選任できるのは首長だけなので。
Commented by kienlen at 2006-08-19 11:03
なんとか機会をみて自分なりの感想を伝えたいとは思いますが、私のように教育委員会文化のようなものとあまりにかけ離れたものよりは、多分もっと近いところにいる人の方がふさわしいような気もしますが。
by kienlen | 2006-08-17 01:32 | 言葉 | Comments(4)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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