「ユダヤ教・キリスト教・イスラーム」

こういうタイトルの講義を聴いた。市街地はお祭りの賑わいだったが、祭り嫌いの私の場合、迷うことなく会場へ。市民教養講座として一企業グループが27年間継続しているメセナ活動のおかげで、たった200円でこんな質の高い話が聴けるとはありがたいことだ。この企業に対する見方は本日から急カーブの上方修正とする。講師は東京外大の飯塚正人助教授。この教養講座は年間の統一テーマを決めているようで今年は「イスラム世界の統一性と多様性-中東を中心に」であり、今日のは5回目だそうだが、今まで知らなかったのが残念だった。今後も毎月続くので、できるだけ参加したいと思う。レジュメを見たとたんに、期待できそうな予感があったが、講師によると「大学の講義3回分を無理して詰め込んだ」というだけあって、知りたかった事を分かりやすく整理して解説していただいた高密度の2時間だった。

タイトル通り、3つの宗教の解説が中心。まずは、ユダヤ教とイスラム教の教義が確定していないことからくる、語ることそのものの困難さから始まる。これだけでも、なるほど、とうなづきたくなる。それから両者の思想の基本として、神への服従と報酬、不服従と天罰の関係。同じひとつの神を信じながら、3つの宗教になった時の差異の歴史的説明は、短い時間の中でひじょうに分かりやすい。これも、なるほど。その他いろいろ。イスラム教の神を批判できない論理と、キリスト教で可能な理由が疑問だったから、質問してみた。これも納得。教義が確定していない中で学校教育で何を教えるのかも尋ねてみた。私にとって面白かったのは、例えば日本にしろ歴史とは国の歴史だが、イスラム圏のエジプトでは、7Cから突如イスラム教の歴史になる、という点。国家とは何かを考えるのにも参考になる。キリスト教では一部を除いて認めらている進化論を、イスラム教の国ではどう教えるかも面白かった。疑問が氷解していく時の快感は格別だ。こういうのを至福の時と言ったらおおげさか。
Commented by 夕涼み at 2006-08-05 21:40 x
ユダヤ・キリスト教の系統だったら、http://homepage3.nifty.com/kairos_at_TAKAO/Takao-works.html こういう方も呼んでいただくといいかもしれません。お年ですが、お元気だと思います。
Commented by kienlen at 2006-08-05 23:04
夕涼みさん、ありがとうございます。でもご推奨のページにアクセスできませんでした。またトライしてみますが。今回の講座は日本中東学会が仕切っているようでした。次は小杉泰さんです。
Commented by 夕涼み at 2006-08-07 23:05 x
推奨本:カレン・アームストロング『神の歴史ーユダヤ・キリスト・イスラーム全史』柏書房。訳者の高尾利数氏は、聖書学では特異な存在で、キリスト教に批判的な姿勢で聖書を読む。著書『イエスとは誰か』NHKブックス。参考ホームページ:文集カイロス




 
Commented by kienlen at 2006-08-09 23:45
本のご推薦ありがとうございます。NHKブックスの方がとりかかりとしてはやさしそうなので、読んだら感想を書きます。また教えて下さい。
by kienlen | 2006-08-04 23:54 | その他雑感 | Comments(4)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31