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カッコいいという感性と自分の間

夏休み初日から娘は祖父母宅へ行ったきりだ。用事があると電話で「○時に迎えに来て」「○日はお祭りに行きたいけど保護者が一緒じゃないとダメだから都合はどうか」とか、連絡がある。彼女は自分の計画を立てられるし、それに従った行動もできるタイプ。当方はこれに答えていればいいので楽なのだが、問題は息子である。そもそもこんなに長い休暇を家で過ごしたことはない。保育園に長期休暇はないし、小学校低学年の時は児童センター通い。それが終わると少年野球を始めて、毎日のように練習して毎日疲れきっている状態。その次はバレーで、これも毎日のように練習があって疲れて呆然の日々。つまり、誰かが立てた計画通りに行動していればいいので、親として楽な面もあったが、自己管理能力が育たないのではないか、という心配もあった。案の定、自己管理能力は相当に低い。もっとも、これは児童センターのせいでも野球のせいでもバレーのせいでもないと思うけど。

彼は昨夜になって突然「明日N高見学に行く」と言い出した。N高というのは私のはるか昔の出身高であるが、息子の成績では及ばない、ということをこの間の3者面談で確認したばかりだ。それどころか、近間の学校で楽観できる所はひとつもない、というありさま。さすがに私もあせったが、当人があせらないとどうしようもない、はずなのにその様子もない。昨夜「自分で行くんなら道を確認しておかないと」とアドバイスして地図を描かせた。「分からなかったら誰かに聞くように」と付け加えると彼はこう言った。「N高どこですか、って聞くなんてカッコいいよね」。絶句したいがもちなおして「ねえ、そう思うんだったら行こうって努力してもいいと思うけど」と言ってから、自答した。こういうタイプはそうではないのだ。自分で努力するのではなくて傍観者として、あれがカッコいいとか悪いとかやるのだ。バッシングというのもこの流れで起きるのかもしれない。そう思うと背筋が寒くなる。今朝、担当の先生から「まだ来ないんですが」と連絡があった。出てから1時間以上過ぎている。案の定迷って別の高校に行き、2時間がかりでたどり着いたらしい。「N高どこですか」と聞くために迷っていたんじゃないだろうな。笑って済ましていいのかどうか。
by kienlen | 2006-07-29 11:10 | 家族と子供の話題 | Comments(0)

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