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「あ、春」

すごく久しぶりに映画を見た。こちらの国際交流基金で毎週金曜日に無料の映画上映会をやっていて、前から行ってみたいと思いつつ、いつも何かで行きそびれていた。遠いし交通費もかかるしで、何となく挫折という面もある。で、今日は思い切って行ってみた。「あ、春」という、私は聞いたことのないタイトルの映画だった。誰もいないのじゃないかと思っていたら、10人以上来ていて、前の方に男性たちが座ったので、そのたびに席を移動し、結局脇の方の席に落ち着いた。そういえばほとんどが男性というのは、日本ではあまりないことではないだろうか。ロングステイの人たちという雰囲気だった。

全然知らずに見たのだが、思いのほか面白かった。佐藤浩市、山崎努という好みの俳優が出ていて、さすがだなって感じだし、佐藤浩市の妻役もいい味出しているなと思ったら斉藤由貴だった。芸達者な方々という感じ。1998年の作品。父は死んだと聞かされて育ち、いいところのお嬢さんと結婚という玉の輿に乗った証券会社のサラリーマンが佐藤浩市で、一時は羽振りが良かったが、会社自体が落ち目になっている。妻は心の病っぽく、ひとり息子は元気で、妻の母と同居という家族構成。そこに、主人公の父親という人が突如現れる。これが山崎努。自由奔放というのか、みんな振り回されっぱなしなのだが、それぞれの微妙な心理状況が感じられる。いくつかのどんでん返しがあり、笑える部分もある喜劇の様相で、どの人物もくっきりしていて分かりやすく、かつ嫌味もなく、大変面白く鑑賞させていただいた。外国で見ると、ああ、日本って感じ。

by kienlen | 2017-12-15 23:45 | 映画類 | Comments(0)

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