『容疑者Xの献身』

東野圭吾のこの小説を、タイ語の翻訳で読んでみた。表紙がカッコいいし、娘と素敵なブックカフェにいる時に見つけたもので気分も影響して買ってしまったもので、実際に読めると思っていなかった。今までも難しくなさそうなものを読み始めては挫折していたので。しかし、これはもう出だしから引き込まれて面白くて止められなくなり、辞書を引き引きものすごいスローペースではあるが読み進めることができた。日本語なら多分2時間か3時間と思うが、多分その50倍以上はかかったと思う。つまりそういう時間があるということであり、通常の状況であれば挫折していたかもしれない。ただ思ったのはミステリーは先が読みたくなるので意外にいけるということと、表現が文学的過ぎると分からなくなるが、平易だし翻訳が分かりやすいし、それと、日本の本なので固有名詞が分かるのと、社会や心理状態も想像しやすいというのがある。これを感じられたのは意外な収穫だった。

筋が読めるので、実は分からない言葉も飛ばしてしまおうかと思えるほど先が読みたくなったが、それじゃあ意味がないなと思って想像できるのも辞書で確認しながら読んでいたのだが、最後のクライマックスは、それもせずに多少飛ばし読み気味だった。天才的な数学の才能があるのに高校の先生にならざるを得なかった男性と、大学の同期で物理が専門で大学教員になった男性が、ある事件をきっかけに再会するのだが、この大学の先生というのが警察官から頼りにされている存在で、いつも警察の出入りがある。そして実はこの数学オタクの先生は事件の首謀者というか主人公でもあり、動機が勝手に惚れているだけの女性とその娘を助けるため、という、こんな風に説明するとおかしな話しだが、ああ、ここでこう思うのは分かるなって人物設定なので違和感はなく、いきなり種明かしが出て来るじゃんと思ったけど、話しが進むにつれて様相は複雑化し、もう、最後の方は虚しくなって、これ読んで自殺者でるんじゃないかと思ったくらい。でもちょっと涙が出てしまう人間味のある話しだった。面白かった。東野圭吾は何冊もタイ語になっているので別のも読んでみるか、いやあまりに疲れるし時間かかり過ぎだ、の間にいる。


by kienlen | 2017-11-26 16:58 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
プロフィールを見る