『ルポ児童相談所ー一時保護所から考える子ども支援』

仕事がなく用事と言えば友達に会うだけなので、それ以外の時間は本を読める、ということになる。荷造りやら準備やらあるはずなのにいいんだろうかと一抹の不安を覚えつつ昨日はこれを読んだ、会った人は昼前に1人、ランチに2人。この本もやはり書店で偶然見つけたのだが、買った理由は類書があまり見当たらなかったこともあるが、この著者の前作を読んで大変感動し、その後が気になっていたからだった。それにしてもこういう本は何度も読み返す部分がないし、行間に意味を探したりの必要もないので、速読のできない自分にもさほど時間をかけずに読めてしまい、あっけないが書く方は苦労しているんだろうなというのが伝わってきた。内容が内容だけに取材したままに書くことはできないし、大量のデータから一般化するわけでもないので、事例がだぶっていたりするのはしょうがないのだろう。

児童相談所のことって分かりにくいので貴重な報告だと思った。中でも特に外からは分からない、サブタイトルにもある通り、児相の一時保護所を取り上げている。よってますます貴重であると思う。だって外から見えないというだけでなく、どうやら当事者、つまり子どもにとっても親にとっても見えにくい場所であることがこれを読むと分かる。私は告発調のものは好きでないので、このように冷静に伝えてくれるのは好感だった。帯にも「告発では、解決しない」とあるのでそもそもの狙いがそうだと思うし、的を射ていると思う。著者の主張は機会の均等とはっきりしているので、その点では分かりやすく安心して読める感じ。とにかく児相の人手不足というのはヒシヒシと伝わるが、その人件費によって貴重な子どもが万という単位で社会人として納税者になれるなら、人殺し用の道具よりずっと安いと思うが、国家というのはそういう類のものではないのだろう。

by kienlen | 2017-04-29 09:10 | 読み物類 | Comments(0)

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