『別れの挨拶』

また丸谷才一の本でしかも新刊。東京で書店をブラブラしている時に見つけて購入したもの。外出が続いて本を読む時間がないのもあって時間がかかっていたが、今日は久しぶりに家に居られたので読み進めることができ、午後に会った友人とはまた本の話ばかりしていたのもあり、夕方父を訪ねた後に続けてやっとのことで読み終えた。今ごろになって丸谷才一というのも何だが、と何度もいうのも何だが、やはり面白かった。これまで読んだのは書評ばかりだったけど、この本はそれ以外のエッセイも挨拶文の原稿なんかも入っている最後の新刊ということだ。古典を扱っている章は、特に自分の無知が悲しくなるが、分からないなりにも面白く読めるのは文章が分かりやすいし、もっていき方も分かりやすいから。

どれも良かったけど、芥川龍之介の自殺になるほどと思い、大岡昇平の野火については涙が出たし、未完だったクリムト論もすごく面白かった。歴史的かなづかひの説明にもすごく納得。クヮルテットを聴かうは、プラハの教会コンサートを思い出して、あああああ、そうなんだー、と感じ入り、声を出して笑ってしまったのもあり、多様な楽しみ満載だった。それにしても困った。ここでも絶対読みたいという本が何冊も増えてしまった。最近買っているのは丸谷本の影響下にあり、それを続ける限り読む本に困ることはないけど、読み切れるわけがない。でも、やっぱり本は面白いし、それでいいのだと思わせてくれるこういう本に心より感謝です。

by kienlen | 2017-04-27 23:08 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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