バベッドの晩餐会

このデンマーク映画はずっと前に友人がDVDを貸してくれていて、見ようと思ったが、パソコンのせいなのか何なのか見れなかった。そういうことが良くあるのでパソコンがいけないと思われる。そうして何年も気になっていたところ、映画館でやっているのを知り、今日の仕事の終わる時間と映画の始まり時間がぴったりだったのでご縁かと思って行ってみた。観客は自分ひとりだった。DVDを貸してくれた友だちからは、いいよ、と聞いてはいたが確かに実に良かった。公開は1987年とのこと。物語の舞台はデンマークの寒村。敬虔で美しい2人の娘を自分の手足として布教に務める清貧の牧師を中心にその村は動いているらしい。コミューンみたいな感じ。そこに紛れ込んで来るのが士官だったりパリの歌手だったり。

どちらも美しい娘に求愛するが許されるわけがない。このあたりは父の意向を察してストイックになるのかただ神に心身を捧げているのか、きっと両方なのか、ちょっと微妙な気配を感じたりする。そういう前振りがあって、次にやってくるよそ者が、家族を殺されたパリコミューンを逃げ延びたフランス人女性。紹介者は歌手で、家政婦として住み込むというか居候というか無賃労働者というかになって救われることになる。14年後、フランスとの関係は宝くじを買うことだけだったが、なんと当たって1万フランが入り、これで牧師の生誕100周年の晩餐会をさせて欲しいといい実行する。タイトルにもなっているくらいだから晩餐会がメインなんだろうし、長々と続くその場面と料理はもちろん素晴らしい。料理で堕落しちゃいけないと誓っていた信者たちも極上料理とワインに心がほぐれ、いがみ合いもなくなり親愛の情が増し神の下に連帯を深め、和気あいあいとなる。静かで美しい人間讃歌という感じ。人のつながりとか老いる魅力とかもあり、じわっと涙が出た。大変良かった。DVDでここまで感動できるかは疑問。

by kienlen | 2017-01-29 21:26 | 映画類 | Comments(0)

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