『キリスト教と世界宗教』

1956年刊で、自分が古本屋でこの間買ったものは1989年31刷。すごーい。とっても薄くて古い岩波文庫の青。「世界の諸宗教、特にバラモン教・仏教・インド教および中国の宗教思想との対比においてキリスト教の優越性を論ずる」という表紙の惹句に惹きつけられて中身も見ずに買ってしまった。元が210円で古本で150円なので迷うほどの値段じゃないし。それでお風呂読書用とした。聖職者のための講演なのでそもそも分かるわけがないのだと思うけど、しかも文章が格調高すぎて何度も何度も読み直してもなお理解できなかった。例えば「悲観主義か楽観主義かの問いにおいても、それは何らの決定に達しない。それが悲観主義的であるのは、バラモン教と仏教のそれのようにそれが不完全、悲嘆、苦悩は自然的世界の本質に属することを明らかにするからばかりではなく、なおまた、そしてはるかに多く、倫理的な神の意図に相応せざる、それゆえに邪悪である、一つの意図を人間においてみいだすからでもある」という感じの文章が続く。

もうちょっとかみ砕くことはできないのかと思いながら何度も読み返しながら無駄骨だと思いながら、しかしなぜか最後まで一応読むことは読んだ。格調高いのって、シンプル過ぎるのよりもクセになるのかもしれない。キリスト教が倫理的で楽観的なのが優れていて仏教は悲観的で劣っているということらしいのだが、それがなぜかが分からなくて、でも最後に長い解説があって、これを読んだらいくらかはちょっとくらいは本文だけよりも分かったような気になった。イスラム教については最初から相手にしないという態度なのがなぜなのか分からなかった。「バラモン教徒やショーペンハウエルの思想におけるような徹底した悲観主義的世界観においては、倫理はただ世界および世界精神から内面的に開放されることによって実現されるような個人の自己完成を欲するのみである」。なるほどーと、分かるようになりたい。薄いけど文字が細かいので見た目より文字分量はあるようだ。これで読んだとは言えまい。でも感じるものはありました。


by kienlen | 2017-01-16 22:06 | 読み物類 | Comments(0)

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