『現代世界の十大小説』

池澤夏樹著。図書館で過去にも借りたことがあるのが多分読み通してないと思ってまた借りて今度は読んだ。大変面白かった。まずは世界文学とは何かという考察から入り、サマセット・モームによる世界の十大小説を紹介し、それに対して自分はどういう選択なのかの説明。古典ではなくて20世紀後半に書かれたもの。国民国家だった時代は各国の文学というくくりが成り立ったが、というか、文学はこれを強める役割もあったが、第二次大戦を機に植民地が独立したからにはポストコロニアリズムの視点がはずせず、それとフェミニズム。この二点の重要さに選びながら気付いたとのことだ。面白そうだなあと思いながら読んだらすごーく面白かった。

選ばれているのはマルケス『百年の孤独』アゴタ・クリストフ『悪童日記』ミルチャ・エリアーデ『マイトレイ』ジーン・リース『サルガッソーの広い海』ミシェル・トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』カルロス・フェンテス『老いぼれグリンゴ』ジョン・アップダイク『クーデタ』メアリー・マッカーシー『アメリカの鳥』バオ・ニン『戦争の悲しみ』石牟礼道子『苦海浄土』。情けないことに読んだのは1冊だけ。苦海浄土が必読書なのは知っているが読んでないし、アップダイクにこういうのがあるのも知らなかった。どれも面白そうだが、ベトナム戦争を北側の兵士として闘った立場から書いたという戦争の悲しみはぜひ。紹介文を読んでいるだけで、苦海浄土共々涙だった。クーデタ、老いぼれグリンコも読みたい、他も全部読みたい。時間がいくらあっても足りない。いい本でした。

by kienlen | 2017-01-13 13:18 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30