『文学賞の光と影』

小谷野敦続き。こういう本を買うわけなく図書館にて。だいたいその日の気分で似たような傾向を借りることになり、この時はこの類だったのだ。かなりアバウトに読んだだけだけど、オタクぶり炸裂だった。どうしてこんなに詳しいんですか。お子さまの時から文学者の相関図とか文学賞の種類とか受賞者を記録していたようだ。で、政治家が二世三世で、経済界なんてもちろんたいていそうで、それで文学者もなるほどこうなのか、というのはくっきり分かる。特に選考委員に夫がいて妻が受賞するとか、怪しいよね、みたいな匂いをぷんぷんさせながら紹介。意外な組み合わせがたくさんあった。知らなかった。この著者の好みは、売れなくても受賞しなくても作家であり続ける人のようで、ちゃんとそういうのが好きだと書いてある。それから賞に対して貪欲であることを表明する人とか。

作家と学歴というのもあり、これがもう名前と大学のオンパレード。忘れていたけど昔読んだ作家の名前が出ていて懐かしくなる。高木彬光は、毒を食らわば皿まで、がやたらに出ていたなとか、ふうん、京大工学部だったのか。早大はやたらに多くて、著者の感想が「早稲田的な臭いのする人というのがいて、川本三郎や加藤典洋などいかにもそうなのだが東大である。阿刀田などは逆に、顔のせいか東大に見える」って、言いたい放題、楽しい。ストーリーを追ったりする必要がなくてただ目を通すだけで気楽。文章も含みがなくて簡単だし。青土社がこういう本出すんだ。こういう本って誰が読むんだろうか。文学研究者か。確かに資料としての価値はあるかも。そうだ、あるある。図書館でないと発見できない本だ。

by kienlen | 2017-01-08 21:15 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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