食べ物

イギリスといえば食べ物がまずいと聞いていた。一番最初に聞いたのは子どもの頃で、名古屋に暮らしていたいとこからだった。外国に気軽に行けるような時代でもなかったと思うし、そのいとこが行ったことがあるのかというと分からないが、ド田舎にいた自分にとって名古屋という大都会在住のいとこの情報というのはとても新鮮だったことは覚えている。他に記憶にあることとしては、映画の良否は金のかけ具合による、というもの。経済成長期らしい説だ。よく行き来していて親しかったそのいとこは、私がバンコク在住中に交通事故で亡くなったと、後になって知った。その後もマズイ説は何度も何度も繰り返し聞いた。イギリスではタイ料理を食べていたとか、美味しそうな写真を見せながら「見かけはいいのに本当にマズイ」という友人あり、そして一番最近は娘の友だちがサンドイッチさえまずかったといったとか。

今回、行く前に周囲に聞くと、長く住んでいた人は、そうでもないと言っていた。ガイドブックには最近の食事情はよろしいと書いてある。ちょっとした観光旅行でたいしたことが分かるはずないが、マズイ説がここまで多いと興味はわく。そこでまずは機内食に期待した。ブリティッシュエアウエイズだったからだ。こういう時に努力すべきは、外部情報による思い込みを可能な限り排除することである。
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チキンのご飯添え、可もなく不可もなくという感じだが、美味しいとは言い難かった。チキンと豆という取り合わせがちょっと斬新に感じられた。帰りのメインはこちらで、娘が紫のサラダを食べられず、何でも食べられるという自信を喪失していた。紫の食べ物がよくあったが、日本人的にはどうなんだろう、紫って。私は色としては大好きだが、食欲をそそられるかというとそうではない。
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やっぱり試さないわけにいかないフィッシュ&チップスは、バースで食べることにした。しかしどこで食べていいか分からないので看板でうたっていたりメニューの出ている店を探したが、これが結構、ない。目立つのは、そして客がたむろしているのは圧倒的にイタリアンレストラン。そこで想像するに、フィッシュ&チップスは観光客向けでしかないのではないか、ということ。ということはやはりトライするしかない、ということで雰囲気の良さげなパブに入ってみた。席に案内され、コートも来たままでまだ座る前から何にするかと聞かれたのはもう決めてあったので答えたけど、飲み物は何にするかまで聞かれてもメニューも見る前だし分からない。それとも外にあったメニューで決めておくべきだったんだろうか、とにかくものすごいテキパキしている、空いているのに。さて、何ていえばいいんだ「考えさせて」といってみたら次から別の人が来た。結局ドリンクは注文せず水のみで。だって、これだけで1500円くらいするんだから。
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しかも全然美味しくない。私はなんとかフィッシュの部分だけ食べて挫折し、バカなことにポテトから食べた娘は魚をほとんど食べずじまいで、とってももったいなかった。この料理をまずくできるわけないと思うのだが、思うに塩気が全くないせいではないだろうか。安ければ他の店でも試して比べたかったが、安い店は見つからずそれをしなかったけど、料理において塩加減が最も大切なのではないかと確信した次第。もちろん塩コショウは置いてあるし、各種ソースもあったが、それをつけさえすればいい、というのはちょっと違うように感じられた。ベースはやはり大事でしょう。なおグリーンのは豆のソースで、私は豆は好きだが、美味しくて感動というのとはほど遠かった。何かこう、空虚。空虚にソースつけても…。ううむ、さっそく悪評肯定に傾きつつある。





Commented by jun at 2016-11-04 22:03 x
お待ちかねのパブの報告が聴けて嬉しいです。小説やドラマでもそんなお店のシーンがなくてはつまらない。
それにしても本当に美味しくないのですね。もはや伝説だと私も思っていたのに。でも、世界の古典的パーティージョークにはありますよね。
また、気候とか宗教の影響もありますかね。次はお酒の話を聞かせていただけるのかな?
Commented by kienlen at 2016-11-05 10:11
junさん、何もかも高くてあまりトライしてないんですけど続きはあります。私も娘も何でも食べられると思っていましたが、ちょっと揺らぎましたねー。
by kienlen | 2016-11-04 18:21 | | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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