神のゆらぎ

前に東京に行った時、タイトルで興味を持って見てみたいと思ったけど時間なし。まさかこのような映画が長野で上映されるとは。しかし午前11時10分からの上映に行けるかというと都合がつかなかった。最終日の今日、行けるぞと思って行った。この映画館で複数の観客を経験したことがないが本日は何と5人もいた。エホバの証人の信者なのでしょうか、輸血する場面で顔を伏せていた人がいたし。見た後で、何の説明もないチラシを見たら製作カナダで、言語が英語になっている。え、英語だったんですか…。フランス映画と信じて見ていた。自分的にはフランス映画のタッチだったし、あれ、フランス語じゃないのかな。つまりそんな情けない客ではあるが、映像といい音楽といい表現全体がものすごい好みだった。そして深く深くストレートに死をテーマにしているのもすごい。というか、神か。というか、どちらもだ。

ストーリーは結構複雑で、しかも説明的なところがまるでなくて、ちょっと後手後手に少しずつズレながら、なるほどこういうことか、と気付くような展開。でもそれも自然に感じられるのだから、何かこう、すごい映画だった。主人公はエホバの証人の信者の結婚前のカップルで、男性の方が末期の白血病で女性は看護師。医師は命を救いたいので輸血を勧めるが、絶対にダメなので両者ともに断り続けている。エホバの証人のことは詳しくないけど、なるほど輸血を拒否する理由はこれなのか、と納得した。それにしても西洋の宗教というのは本来は永遠がある、ということをベースにしているのが、はかない命をたまたまいただいている、という感じが基本の日本人の自分にはやはり直感的に理解できないところだ、という気持ちをこの映画でも確認した。凝縮された不条理の連続。人の世界を俯瞰したらこんな感じなんだろうなとつくずく感じた。はあ、素晴らしい映画だった。優待日割引もなく、使えると思っていた割引券もこれに限っては使えないということで高かったが、充分以上に深く満足。大人の映画だと思う。

by kienlen | 2016-10-21 18:11 | 映画類 | Comments(0)

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