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カノム・チーンのお味はいかに

昨夜は、年に2日あるかどうかのノンアルコールの日だった。そのせいかどうか、今朝の目覚めは快適で、朝食を摂る気分になってキッチンに行ったら、朝方帰宅したらしい夫がソファに寝ていた。寝ぼけ半分で「カノム・チーンがある」と言うので見たらテーブルの上にビニール袋に入った汁物があった。ビニール袋に食べ物を入れて膨らませてゴムで縛ってのお持ち帰りは、バンコクでの日常茶飯事。少なくとも表向きは、母親の手作りが家庭円満の元なんて強調される感じはなかったが、あまりに料理をしなくなったことを嘆いてか「プラスチック・マザー」と言う言葉が流布したことはあった。つまり、ビニール袋(=プラスチック袋)に惣菜を入れてテイクアウトするマザーのこと。出来合いのお惣菜といったって、バンコクではその場で好みに作ってくれる店も多いし、キッチンと料理人が路上に出ていると思えば、そんなに不思議じゃないどころか、職がない人の貴重な自営手段にもなっているので、皆が手作りしたら失業者がもっと増えるだろう。

カノム・チーンを直訳すると「中国のお菓子」という意味で、中国からの渡来品かもしれないが、ソーメンそっくりの米の麺に生のモヤシやハーブ類や高菜漬けみたいなものや菜っ葉等好みでいろいろのせて、汁をかけて混ぜて食べるもの。市場付近の露店にはまずある。麺の形状から、末永くの意味でお祝い事の時にも食べるようで、タイ人のパーティーに行くと出されることが多い。その汁で私が一番好きなのは、「ガチャイ」という、ショウガを柔らかくしたような風味の根っこを大量につぶして、魚をつぶして辛く味付けしたものだ。「ナーム・ヤー」と呼ぶが、直訳すると「薬の水」。確かにそんな味。温めていたら夫が、息子にもやればいい、と言う。「そんなに辛くないから」と。ソーメンがないからソバを茹でてありあわせの野菜を乗せて、ちょうど遊びに来た友人と食べたら、すごく辛かった。こんなものを中学生が食べられると発想するあたりがすごい。好奇心旺盛でタイ料理も好きな息子が「味みる」と言うので、ほんの少しだけかけてやったら、一口で叫び声を挙げてトイレに走って行った。
by kienlen | 2006-06-25 21:04 | タイの事と料理 | Comments(0)

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