『お釈迦さまの脳科学』

苫米地英人著。この方がどういう人か全然知らずに、インドの仏展をやっていた東京国立博物館のミュージアムショップで昨年買ったもの。どうしてこれを買ったのか定かではないが、展覧会が良かったから気分が良かったのと、そういう場所だったのと、新書で読みやすそうだったのと、帯に「葬式も位牌も戒名も釈迦の教えとは関係ない。僧籍をもつ脳機能学者が解く仏教の真実」という文句があったからだと思う。買い物はその時の気分だし、本も例外とは言えない。で、そのまま読まずにいたのを今になって読んだのは理由がある。友だちから、キリスト教の神について丁寧な解説を小出しにしていただいている最中なのだが、やはりどうも唯一絶対の神というものに直感的に馴染むことができず、もやもやしていて、そうそうこれ読んでみようという気になった。

新書なので詳細な記述ができるものでもないだろうけど、それにしてもこんな断定的でいいのか、でもでも納得できるという感じをもった。「そもそも仏教は〝あの世〟へ行くための宗教ではありません」とか「釈迦は一言も浄土について語ったことはない」とか「釈迦は葬儀に僧侶が関わることを禁止していました」とか、じゃあ日本でいうところの仏教って何よということになってしまうことがたくさん書いてある。「日本では葬儀が僧侶の主な仕事になっていますが、釈迦の言いつけを守っていないのです」とも。「昔から多くの宗教は死後の行き先を担保に取ることにより政治的な権力を獲得しています」は、まさに。道教や儒教との関係とかバラモン教やヒンズー教との関係とか、密教って何とか、疑問に思ってたことがすっきり解説されていて、こんなすっきりでいいのかなという別の意味の疑問はともかくとても参考になったし面白かった。「神さまを信じてもいいけど唯一絶対ではないと考えたいものです」。はい、みんながそう考えたらもっと平和になると思うので賛成。お経という訳語の問題とか般若心経についての説も面白かった。



Commented by jun at 2016-06-07 06:34 x
苫米地さんと私は同年の生まれです。また、日本ではおよそ百年前のグローバルな思想家としては鈴木大拙、西田幾多郎の同年者に加え、少し生まれは早かっけど二氏より早く逝ってしまった夏目漱石が思い浮かびます。
この四人は仏教だけででなくキリスト教においても現代でも読み返すべきほどの第一人者ではないでしょうか。
でも苫米地さんは学問よりも舛添さん並に色んなビジネスでは胡散臭いことでも有名ですが。
しかし、私も面白いと思います。確かにあまりの断定口調は気になり、本当かなとも思いますが、それ以上に誰も言えそうにないことを語ってくれているのが凄いです。
Commented by kienlen at 2016-06-07 17:22
> junさん
著者のこと知らずに読みましたが、ネットでの意見も色々ですね。自己啓発系は全く知らないんですよね。ここでもコーチングの話は出てました。
by kienlen | 2016-06-05 10:29 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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