りんご箱ふたつ

昨日、夫の店に久々にお昼ご飯を食べに行ったらバッタリ父に会った。不思議なものだ。彼は今年になって初めてくらいの来店で、私も迷った挙句に久りぶりに寄ってみたのだから。父はビールを飲み終え食事も終える直前だった。何を頼もうかと考えていると、夫が何かあるというので任せたらトートマンクンとパカナ炒めが出てきたので美味しくいただいた。父が「御柱祭りのおかげで普段会わない人に会った」と話し始めた。地元の人の名前を出されても分からないのだが、村内から他の村にヨメに行っている、多分80歳くらいになる人から聴いたという内容だった。

その女性は、母から「首吊りで確実に死ぬにはどうしたらいいか」と相談されたそうで「りんご箱ひとつよりもふたつが確実」と答えたのだそうだ。母のことでは父に聞きたい反面、きっかけがつかめずにいたので、ちょうどいい機会だと思って「兆候を感じなかったの」と聞くと「そういうのが分からないから俺はダメだな」と言うのである。「そこまで鈍感だから彼女といて自分が先に参らなかったんでしょう」と私は日頃から感じていることを言った。それからしばらく母について話した。あそこまで身辺整理を徹底してから逝ったということは、突発的とはどうしても思えない。くだんの女性によると、足を折ってリハビリでかなりの回復をみたものの、前のように歩けなくなったことが原因では、とのことだったそうだ。それは踏み切るきっかけではあったのだろうけど、そんなシンプルなものでもないだろうと思いつつ、父が複雑な心理を慮るタイプでないことは確か。健康寿命の長いタイプって依存的でなくて鈍感なタイプではないだろうか。母があそこまで依存させたがる人だったのによくもまあ、と改めてある意味の凄みを感じた。



by kienlen | 2016-05-11 18:08 | 家族と子供の話題 | Comments(0)

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