『腰痛放浪記 椅子がこわい』

夏樹静子著。たくさん書いているミステリー作家なのは知っていても読んだことはなかった。友だちがとても良かったと言うので昨日貸してもらい、読み始めたら止められなかった。さすがに作家なので腰痛の痛みのすさまじさや、当時仕事がどのくらい忙しかったかなどの描写がど迫力。そういえばこのところ、痛みと脳の関係とか聞くことがあるけど、このような著名人の体験エッセイが与えた影響は大きいのではないだろうかと感じた。つまり、54歳でものすごい腰痛を発症し、医者なり何なりいいと言われる人を片っ端から尋ね、時には霊の話になったりという、まさに放浪を2年以上も続け、その間に痛みはますます激烈になり、原稿書きも横になっていないとできず、とにかくものすごい状況になっていく。

あらゆる検査をして異常なし。どんな名医の治療も効かない。効果がなければ返金とうたっている人からは本当に返金もあり。自殺も考えるようになるのも分かるなという苦しみの日々なのだが、自分にも夫にも有力な友だちやツテがたくさんあり、お金をいくらでも使える経済力があり、有名人なので治療側からのオファーも特別待遇だったりと、まあ庶民とはまるで違う環境ではある。だからこそ、これだけの放浪ができたわけで、伝えるべき内容も濃くなっているわけだが。結局、心身症であると断言した診療内科の医師を信用したわけでもないのに入院して治療することになる。この様子がまたすさまじい。森田療法は興味があったのでその点でも面白かった。

by kienlen | 2016-05-07 18:20 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
プロフィールを見る