『物語 チェコの歴史―森と高原と古城の国』

うーん、これは大変に面白かった。中公新書のこのシリーズは興味ありつつも、挫折せずに読み通したのはタイだけだと思うのでこれが2国目。知りたいという好奇心が単純に強いか、どうしてもの必要性から読むのでないと、面白いといっても小説のような類とは違うのできびしいのだ。歴史をどう描くかで、ここでとられているのは、「時代ごとにその特徴をよく映し出していると思われる人物を中心にとりあげることで、チェコ史をたどってみたい・・」という手法。だから章ごとに中心となる人物を紹介しながら歴史をつむいでいるわけだけど、読みやすくて面白い。

チェコ共和国という国が誕生したのはごく最近の1993年。この本は、東西の帝国の狭間に位置していたという今のチェコがモラヴィアとしてあった中世初期から始まっていて、めまぐるしく変化する様子が分かるようになっている。教会の力と世俗の権力のせめぎあいどころか、キリスト教内部での争いの複雑さとか、貴族の立ち回りとか、物事の展開が思いがけない方向に行く様子とか歴史そのものの面白さに加え、多分大国とは違う小国ならではの波乱万丈ぶりがよく分かる。それにしても島国とは違う…。一時期はチェコスロバキアだったわけで、そういうことも名前しか知らない自分にとって何から何まで興味深かった。図書館で借りたけど手元に置いておきたい気もする。

by kienlen | 2016-05-02 16:18 | 読み物類 | Comments(0)

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