子供を連れ帰るためにタイへ

お昼ごはんを食べに夫の店に行くことにした。理想的なビール日和。店に着くと、思いがけない人がカウンターでソムタムを食べていた。以前はよく店で顔を見た人。看護師は肉体労働だと言って、ただでさえ大盛りのランチを2人前食べていたのが印象に残っている。もう2年以上も見かけなかった。この間は噂だけ聞いていた。日本にいたタイ人男性と結婚したこと、男性はビザが取れたら早速帰国したとか、子供ができたとか。やっと当人に会えたので事実を聞いてみることにした。すごく元気そうな大きめの声で「8月にタイに行く」と言う。それも1年半という半端な期限まで明言。もっとも私も1年の予定で行ったのに7年になったからアテにならないが、彼女は私よりはずっと計画性があるようだし、目的もはっきりしている。それは「子供を連れ帰るために必要な期間」なのだ。情報も生活様式も画一化している日本人の話には、意外性という点で物足りなさを感じるが、彼女の話はこちらを楽しませてくれる要素に満ちていた。ざっとこんな感じだ。

自分の両親は早くに亡くなっているので、子供が生まれた時には、タイの義母に来てもらって自分は早々に仕事に復帰した。6か月になった時に義母に子供を連れ帰ってもらい、その後は夫婦で半年に1度くらい子供に会いにタイに行ったが、母にも父にもなつかない。そうして今2歳。「あの状態で連れ帰ったらまるで拉致」になってしまうので、「両親を知らないよりは父親だけでも知った方がいい」と提案して、まずは夫がしばらく前からタイ暮らし。そして自分も今回は仕事を一旦辞めて、子供を自分に慣れさせる期間として1年半を見込んでいる、ということ。先方の親族一同がねこかわいがりなので、一体自分になつくのだろうか、それに、義母や曾祖母や親族が手放す気になるだろうか、が心配事。タイでの子育てでは、同じではないが似たような経験をした私には、場面場面が今ここで展開しているようで、観劇気分でビールが進む。そんな話をしていたら、やはり看護師の日本人女性と結婚しているタイ人男性が入ってきた。家事見習い兼日本語の勉強中。生活力のある女性とタイ人男性というのは、一番相性がいいと、私は思っている。
by kienlen | 2006-06-14 16:51 | タイの事と料理 | Comments(0)

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