フランス組曲

半端な気分。自分のことを振り返る時間があり、日ごろは相手に対して振り返ってもらうというようなことをしているくせに、逆になったら、なんて生き方をしてきたんだろうみたいな感じになってしまい、妙に落ち込んでしまった。あえて変な道をとぼとぼ歩いてきた感がある。そしてこの年になっても先が見えない。それで何かをする気になれず、家が仕事場ってこういう時に切り替えがしにくく、映画を見に行くことにした。暖かいので自転車で大丈夫だし。ああ、言い訳がましい。説明過多症。観に行ったのはフランス組曲。ナチス占領下のフランス1940年が舞台。舞台はこうでも内容は恋愛に重点みたいな紹介文に感じられたので、気楽に観に行ったのが間違いだった。

やはり時期が時期で事が事なので怖くて見ていられない場面が多く、だったらなぜ観にくるんだと、またもや自問。自問も過多。しかし、いい映画だった。ナチの将校はどこかで見たことがあると思ったらベルサイユの宮廷庭師の人だった。女性もとても美しく繊細で複雑な感情がよく伝わる。それだけにまさに胸が締め付けられた。パリが陥落した時、田舎はまだ戦争の気配などなかったが、あっという間に戦時下へ。ドイツ兵が田舎町に入って来たことで、狭い共同体の中の人間関係のバランスがどんどん崩れていく。しかも生死を分ける深刻さと残酷さで。ただ、支配があまりに残酷で理不尽だと命がけの抵抗も生まれる。個人主義の弱さを指摘する共同体主義者のシーンが、いかにもフランスとドイツの象徴みたいに感じられた。大きな劇場に観客2人。良かった、でも怖かった。

by kienlen | 2016-02-14 21:32 | 映画類 | Comments(0)

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