『金閣寺の燃やし方』

酒井順子著。三島由紀夫を本気で読み始めた友人が貸してくれた。「これ読むと三島より水上読みたくなるよ」のコメント付で。まさにその通りでした。ひとつも読んだことのない水上勉の、せめてここに出てくる金閣寺関係だけでも読んでみようかという気にはなる。でも時間がある自信がない。酒井順子さんは有名な負け犬の遠吠えを読んだきりで、その時、すごくまっとうな内容だと感じて、今回もそう感じた。そして大変に読みやすい。タイトルも秀逸。著者自身が三島好きで、そこから入ったようだけど調べているうちに水上寄りになっていく様子が感じられて面白い。

三島由紀夫の金閣寺は主人公が実際の犯人とかなり違って三島の造形、対して水上の五番町夕霧も金閣炎上も小説というよりほとんどノンフィクションということ。これを読み比べ、現地を訪れ、たくさんの資料と思索の結果を「母と故郷」「寺と戦争」「美と女」「生と死」という項目を設定して対比させている。このふたりの作家が両極端にいるかのようで実は…という結びの日本論みたいなところも納得で、うんうん。読後感は負け犬の時と似てて、うなづけるし鮮やかと思うのだが、何かもう一味欲しいなあみたいな。これは何なんだろうか。読み慣れていないからかもしれない。


Commented by jun at 2016-02-01 13:47 x
タイトルが凄いですね。吉原炎上を連想しました。関係ないか。確かにこれを入り口に色々と読めそうですが時間が限られますね。
また、このブログのレイアウトが変わっていてびっくりしました。
私はまだ『緋文字』を、ちょこちょこ読みでてこずっています。面白くはなってきましたが。
深夜の重い荷物持参のご帰宅は、風邪などひかれませんよう。
Commented by kienlen at 2016-02-01 14:19
junさん、このタイトルは読むと納得できます。緋文字はあの文体なのでえらく時間かかりました。がんばってね。
by kienlen | 2016-01-31 11:19 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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