『食べる世界地図』

昨年ヨーロッパに行く前に読みたいと思って買ってあった本。それなのに読んでなかったのは、時間がなかったというだけではなくて、文章がすんなり入ってこなかったのにも一因がある。もっとも知らない地方の知らない料理名がたくさん出てくるので読みやすくないのは当然でもある。つまり読む側の問題。来月またヨーロッパに行くことにしたので関係国の料理を見てみようと開いた。でも最初に載っているのはフランス。著者がイギリス人なので日本人が書くのと視点が違って面白い。料理では悪名高いイギリスから見るとフランスの食文化がいかにすごいかがヒシヒシと伝わってくる。別にイギリスから見なくたって、日本人の修行先もフランスが圧倒的に感じられる。この間たまたま友人と入ったフレンチの店でも、包丁1本持ったシェフのフランス修行の話が出たし、特別なんだろうなという感じはあり、この本を読んで、ノルマンディに行こうよと、本気で行きそうな友人に本気でメールした。ノルマンディといえば上陸作戦しか知らないが、なるほどこういう食文化なのか。フランスは4地域の郷土料理が土地柄と共に紹介されている。

来月行くのはオーストリアとチェコとポーランド。この本では中欧と東ヨーロッパでまとまった章になっている。理由はよく似ているからだそうだ。「こうした国々に共通する共産主義の歴史は、キッチンにもよい影響と悪い影響を与えた」のだそうだ。手に入る食材が限られる一方、近代化の波から伝統を守る役目も果たした、のだそうだ。よって東側の料理は、思いがけない組み合わせだったり、別世界のものにみえるそうだ。納得。今になって観光客が食べるような料理がどうなのか、それを楽しみにしておこう。ユダヤ人の料理の影響が世界に広がったのがホロコーストではないかと書いているのも、確かになるほど。世界中の料理を紹介しているので日本もあるが、あんまり力は入ってないようだ。章末に紹介されているレシピがうどんというのも面白い。その点タイは祖父が老後に暮らしていて遊びに行ったそうで細かいことが書いてある。米がメインでおかずは副菜というのがイギリス人からみていかに驚くべきことなのかが、くどくど書いてあるのは面白い。旅の前後に読んでおくのは悪くなさそう。



by kienlen | 2016-01-24 10:37 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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