『騙されてたまるか―調査報道の裏側』

せめて本を買うことで陰ながら応援の清水潔氏の新書をしばらく前に買ってすぐに読み始めたのだが、すでに読んだ事件のところで頓挫していた。この人のは大好きなので、忘れっぽい自分も結構覚えていたから。今日、事務所を片づけて多少すっきりしたところで読みかけのこれを開いたらやはり読むべきと感じて読んだ。小説を読んで泣くことは多くないが身体を張っているノンフィクションは泣けて、この人のはそれの筆頭。すごく良かった。売れて欲しいと願う。

三億円事件の犯人を名乗り出た詐欺師の話は、他のあまりに悲惨で理不尽な殺人事件に比べるとマシというか…。詐欺師がいかに徹底して詐欺師かが分かって面白い。北朝鮮拉致事件の謎を追う様子も、推理小説さながら。誘拐現場が分からないのに現場撮影をすることになった著者が、ちょっとした手がかりから現場を突き止めていく。殺人事件の取材を通じて時効の理不尽さに何度も直面した著者の撤廃への主張が実を結んだと思われる経緯もある。家出で片づけられそうになった事件の殺人犯を追い詰める場面もあれば、殺人事件とされたものが自殺だと検証する場面も。調査報道の重要さの訴えがヒシヒシと伝わってくる。最終の特攻の章に一番泣いた。

by kienlen | 2015-12-24 23:01 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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